トマトの養液栽培農家
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第257号 2020/01/21 『トマトの養液栽培農家』
▼ まえがき
▼ (1)イスラエルのIoTクラウド農業
▼ (2)練馬区内のトマトの養液栽培農家
▼ (3)ビニールハウス全体
▼ (4)ボイラーとダクト
▼ (5)養液と水
▼ (6)イスラエルのICT農業との違い
▼ あとがき
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まえがき
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こんにちは。蒲生嘉達(がもうよしさと)です。
第256号『新章の構想』(2019年11月9日発行)で記したとおり、
「IT技術者のための農業入門」は次の方向で書き進めます。
第1部:農業のICT化はどの程度進んでいるのか?
第2部:AI、IoT、クラウドと農業
農家.comブログ(↓)では、毎週情報発信をしてますので、是非ご覧ください。
ブログ:https://www.nou-ka.com/infomes_list_1.html
調理情報:https://www.nou-ka.com/infomes_list_3.html
豆知識:https://www.nou-ka.com/infomes_list_5.html
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(1)イスラエルのIoTクラウド農業
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次の文章は竹下正哲著「日本を救う未来の農業」(第3章 最先端ICT農業とは
第7節 IoTクラウド農業の時代)からの引用です。
イスラエルで行われている農業を記しています。
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土壌センサーは、土壌の温度、水分量、pH、ECを分単位で
リアルタイムに計測してくれる。気象センサーは気温、湿度、
照度、降水量、風速などをやはり分刻みで計測してくれる。
さらにすごいのは、日本ではまだまったく使われていないが、
植物成長量センサーだ。
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同書では、水に乏しいイスラエルではドリップ灌漑が普及し、
それを基盤として、各種センサーを活用して、IoTクラウド農業が
行われていることを解説しています。
日本では雨が豊富なため、露地でのドリップ灌漑は行われていません。
辛うじてハウス栽培でドリップ灌漑が行われています。
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(2)練馬区内のトマトの養液栽培農家
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私は農業ボランティアとして月2回ほど休日に練馬区内の農家に行き、
様々な農作業のお手伝いをしています。
その中にハウス内でトマトの養液栽培(つまりドリップ灌漑)を行っている
農家があります。
練馬区内で行われているトマトの養液栽培としては、先進的な事例です。
その様子を記します。
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(3)ビニールハウス全体
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紫外線がカットされるとコナジラミ、アザミウマなどの害虫の侵入が
抑制されるそうです。
ビニールハウス内は白いシートで覆われ、スリッパを履いて入ります。
トマトを植え付ける台(ベッドと呼びます)にはヤシガラが入っています。
植え付けた苗は上からロープで誘引します。
苗は500本植え付けられています。
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(4)ボイラーとダクト
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温度センサーがハウス内に一つ吊り下げられていて、設定温度以下になると、
ボイラーに接続されている大きなビニールのダクトに自動的に温風が
送られます。
写真ではビニールのダクトはペシャンコですが、夜気温が下がると温風で膨れます。
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(5)養液と水
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養液と水は別系統になっていて、養液と水を別々に、設定された時刻に
自動で流します。
例えば、養液は1日1回、潅水は1日4回など。
養液も水も循環させません。
養液は一種類のみで、生育ステージによって量を変えます。
第5果房開花期が最も多く、第1果房開花期の6倍の量となります。
養液の濃度は変えません。
上記の通り生育ステージによって量が異なるので、第1果房開花期は1分56秒、
第5果房開花期は約11分38秒と設定されています。
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(6)イスラエルのICT農業との違い
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この養液栽培は日本では先進的ですが、冒頭で引用したイスラエルの
ICT農業とは次の点で異なっています。
センサーは温度センサーのみ。(しかもハウス内で1個)
水や養液は自動で流しますが、あくまでも人間の設定です。
研究所が作成したマニュアルと農家の経験値で設定します。
例えば、使う苗(品種、接ぎ木苗か否か等)によっても生育度合いが微妙に違います。
農家はそこを経験値で調整しています。
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