技術動向

February 05, 2011

次回羅針盤21研修会のテーマは「スマートフォン」

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_/_/_/_/_/_/_/  ソフトウェア業界 新航海術  _/_/_/_/_/_/_/_/_/
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第234号  2011/2/5 『羅針盤21研修会のご案内』
  ▼  まえがき
  ▼  [羅針盤21] (1)2月17日研修会のテーマはスマートフォン
  ▼  [羅針盤21] (2)研修会の内容詳細
  ▼  [羅針盤21] (3)本メルマガ読者から5名までご招待
  ▼  [羅針盤21] (4)羅針盤21新規会員募集中!!


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  まえがき
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蒲生嘉達(がもうよしさと)です。

今回は、「羅針盤21」のPR号です。

「羅針盤21」とは中小ソフトウェア会社の業界団体で、私も理事の
一人となっています。

羅針盤21ホームページ:http://r21.arrow.jp/



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[羅針盤21] (1)2月17日研修会のテーマはスマートフォン
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羅針盤21では2月17日(木)に下記のとおり、研修会を開催します。
今回のテーマはスマートフォンです。

【日時】2月17日(木)15:00~17:30 

【場所】関東ITソフトウェア健保会館 会議室
JR中央本線大久保駅下車北口改札より徒歩1分
JR山手線新大久保駅下車徒歩5分
http://www.its-kenpo.or.jp/restaurant/okubo_kaigisitu/index.html

【内容】次の3部構成です。
第1部:羅針盤21今年度体制紹介・年間行事について
第2部:スマートフォンの基礎知識
第3部:アンドロイドアプリ開発入門



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[羅針盤21] (2)研修会の内容詳細
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第1部:羅針盤21今年度体制紹介・年間行事について
時間:15:00~15:15
講師:羅針盤21理事会


第2部:スマートフォンの基礎知識
時間:15:20~16:20
講師:スマートソリューションズ株式会社 ソリューション事業部 今野様 
内容:スマートフォンの定義、ケータイ市場(日本と世界)、
   iPhoneとアンドロイド、今後の市場予測、各社の取り組み、
   スマートフォン/タブレットでできること 等


第3部:アンドロイドアプリ開発入門
次回:16:30~17:30
講師:株式会社ジェイ・クリエイション 鴫原様
内容:アンドロイドアプリ開発を初心者にもわかりやすく説明。



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[羅針盤21] (3)本メルマガ読者を5名までご招待
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次のような方にお勧めです。
・スマートフォンが話題になっているが正直よく分からない。
・今後アンドロイドアプリ開発を手掛けたい。


本来は羅針盤21の会員しか聴講できませんが、羅針盤21の活動を
知っていただくために、本メルマガ読者を5名まで無料でご招待
いたします。

3部全体でなく、一部のみの参加も可能です。

参加希望者は、koffice@kei-it.com までお申し込みください。



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[羅針盤21] (4)羅針盤21新規会員募集中!!
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また、羅針盤21では、現在、新規会員を募集中です。

【主な活動】
・年間3、4回の研修会・懇親会
・年間1、2回のレクリエーション(ボウリング大会、バーベキューなど)
・案件情報の交換(随時)
・各種協業

【正会員と賛助会員】

羅針盤21の会員には正会員と賛助会員とがあります。
会社として入会される場合は正会員、個人として入会される場合は
賛助会員になる場合が多いのですが、賛助会員として入会されている
会社もあります。

会員としての特典の違いに若干の違いがあります。

例:
 懇親会に出席する場合、正会員は2名無料、賛助会員は1名無料です。
 会員が本を出版した場合、正会員には2冊無料で配布、賛助会員には
 1冊のみ無料配布です。

会費にも次の違いがあります。
正会員:4,000円/月
賛助会員:2,000円/月


羅針盤21に興味を持たれた方は是非ご一報ください。

羅針盤21ホームページ:http://r21.arrow.jp/



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  本メルマガについて
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December 31, 2010

医療IT市場

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第233号  2010/12/31 『医療IT市場』
  ▼  まえがき
  ▼  [業界動向] (1)2010年国内産業別IT支出動向
  ▼  [業界動向] (2)医療IT市場の大きさ
  ▼  [業界動向] (3)医療IT成長率がトップである理由
  ▼  [業界動向] (4)プロプライエタリな閉鎖的な世界
  ▼  [業界動向] (5)慶の取り組み



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  まえがき
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株式会社慶の蒲生嘉達です。

2010年最後のメルマガです。



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[業界動向] (1)2010年国内産業別IT支出動向
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12月2日、調査会社IDC Japanは「国内産業分野別IT市場における2010年
上半期の分析と2010年~2014年の市場規模予測」を発表しました。
( http://www.idcjapan.co.jp/Press/Current/20101202Apr.html )

その記事によると、2010年の分野別IT市場の前年比成長率、市場規模は
次のとおりです。

  分野        前年比成長率  市場規模
 医療         +2.8%    4,619億円
 情報サービス     +2.4%、   7,229億円
 公共/公益      +1.6%    2,468億円
 証券/その他金融   -2.2%    2,633億円
 建設/土木      -1.1%    1,562億円
 一般サービス/その他 -1.0%    5,515億円
 官公庁        -2.5%    7,046億円



証券/その他金融、建設/土木、一般サービス/その他、官公庁が
2010年にマイナス成長であったことは、実感と一致しています。

例えば、証券/その他金融分野の汎用機アプリケーション開発は
めっきり少なくなりました。

情報サービス、公共/公益 が堅調であったということも、実感と
一致しています。
とりわけJava、PHP、Rubyなどの小規模WEB系開発案件は堅調でした。



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[業界動向] (2)医療IT市場の大きさ
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さて、先ほどの表を市場規模でソートしてみましょう。

  分野        前年比成長率  市場規模
 情報サービス     +2.4%、   7,229億円
 官公庁        -2.5%    7,046億円
 一般サービス/その他 -1.0%    5,515億円
 医療         +2.8%    4,619億円
 証券/その他金融   -2.2%    2,633億円
 公共/公益      +1.6%    2,468億円
 建設/土木      -1.1%    1,562億円


読者は医療IT市場の大きさに驚かないでしょうか?
証券/その他金融の1.75倍、建設/土木の3倍です。

しかも、成長率はトップです。



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[業界動向] (3)医療IT成長率がトップである理由
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先のIDC Japanの記事では、官公庁が成長率最低(-2.5%)である
要因として「事業仕分けや公共事業の見直しに伴うIT政策見直しなど」
を挙げています。

一方、医療ITの成長率がトップであることの要因は書かれていません。

医療ITの成長率がトップである理由は、下記のような重大問題を解決
するために、医療のIT化が不可欠だからでしょう。

・高齢化が進み医療費が伸び続けている。
 →しかし、医療費を抑制しなければならない。
・経営不振による病院の閉院
・医師偏在による地方の医師不足
・医療安全に対する過度な社会的要求



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[業界動向] (4)プロプライエタリな閉鎖的な世界
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医療ITとは具体的には次のようなシステムです。

・遠隔医療
・電子カルテ
・診療報酬請求(レセプト)
・PACS(画像保存通信システム)

中小ソフトウェア会社にはあまり縁のない分野です。
メーカーが独占しているプロプライエタリな閉鎖的な世界だからです。



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[業界動向] (5)慶の取り組み
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慶は従来より、自社サービスについては農業と医療に焦点を絞っています。

今年は1年間医療ITの社内教育を続けました。

また、11月には弊社の医療システム担当者が、日本医師会総合政策研究機構
(日医総研) より日医IT認定システム主任者 として認定されました。


2011年には自社医療ITサービスを立ち上げる予定です。



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November 15, 2010

向い風と追い風と

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第232号  2010/11/14 『向い風と追い風と』
  ▼  まえがき
  ▼  [技術動向] (1)大手ITベンダー4社の4~9月期決算
  ▼  [技術動向] (2)NTTデータ、米企業を過去最高額で買収
  ▼  [技術動向] (3)国内市場先細りという逆風
  ▼  [技術動向] (4)ヨットは向い風でも前進する
  ▼  [技術動向] (5)Rubyと農家.com
  ▼  [技術動向] (6)仮想化と新サービス



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  まえがき
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株式会社慶の蒲生嘉達です。

今回は、日経コンピュータ11月10号の記事をネタにして話します。


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[技術動向] (1)大手ITベンダー4社の4~9月期決算
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日経コンピュータ11月10号に、『大手ITベンダー4社の4~9月期決算
「予想に反し国内市場が回復せず」』という記事が載っていました。

> 富士通、日立製作所、NEC、NTTデータの国内大手ITベンダー4社が
> 2010年4~9月期決算を発表した。・・・(中略)・・・
> 各社の情報・通信分野の業績は、富士通と日立が減収増益、NECの
> SIサービスやアウトソーシングを含む「ITサービス」事業が減収減益。
> NTTデータは増収減益だった。


「国内市場が回復せず」は、請負開発などの営業をしていて、
実感として感じています。

案件規模の縮小、単価下落、技術者の余剰感は依然として続いています。



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[技術動向] (2)NTTデータ、米企業を過去最高額で買収
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日経コンピュータの同じ号に次の記事も載っていました。

『NTTデータ、米企業を過去最高額で買収 欧州とアジアでも大型買収を計画』

> NTTデータは2013年3月期に海外売上高3000億円、海外売上高比率20%を
> 目標にしている。・・・(中略)・・・
> 「国内市場は先細る。ユーザー企業はどんどん海外に出ている。
> 日本企業の海外拠点のサポートを勝ち取るという意味だけでなく、
> 海外市場そのものを開拓する上でも、海外拠点の整備は重要」。

この記事はネットでも見られます。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20101109/353952/



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[技術動向] (3)国内市場先細りという逆風
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クラウド化は日本の中小ソフト会社にとって逆風になるということは
これまで話してきました。

関連記事:
 日本のソフト会社は今後5年で半減する(?)
 [Blog版] http://www.gamou.jp/sailing/2010/07/5-2083.html
 [HP版] http://www.kei-it.com/sailing/229-100704.html

 プライベートクラウド vs. パブリッククラウド
 [Blog版] http://www.gamou.jp/sailing/2010/05/vs-1cd4.html
 [HP版] http://www.kei-it.com/sailing/228-100505.html

 クラウドが技術者に与える影響
 [Blog版] http://www.gamou.jp/sailing/2010/03/post-7560.html
 [HP版] http://www.kei-it.com/sailing/227-100319.html


しかし、日本の中小ソフト会社にとってもう一つ大きな逆風が吹いています。

新興国の経済成長、グローバル競争の激化、円高によって、
ユーザー企業が海外に出て行き、それを追いかけて国内大手ITベンダーも
海外に出て行くという流れです。


> あるITベンダーの経営トップが解説してくれた。「大手のお客さんは皆、
> IT投資の軸足を海外に移すと言っている。国内のIT市場はジリ貧だ」。
(「ITベンダーの海外展開が加速、国内は空洞化するのか」
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20101108/353879/ より)



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[技術動向] (4)ヨットは向い風でも前進する
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本号を「ヨットは向い風でも前進する」という話でまとめることもできます。

ヨットの帆は、飛行機の翼と同じように、前からくる風に対して、
“丸い側”に揚力(=推進力)を生み、この揚力の方向を巧みに操ることで、
風上向って、45%以上の角度さえあれば、どの方向へも進むことが出来る
そうです。
http://www.tenshoku-plus.jp/room/osaka/narutaki/200807/01.shtml 参照)

したがって、向い風でもヨットのようにジグザグに前進しよう
という方向で話をまとめることもできます。



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[技術動向] (5)Rubyと農家.com
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しかし、今回は、「経済もIT技術の進歩も複雑なので、たとえ
請負開発事業に吹く向かい風があっても、他の分野では追い風が
吹いている」という方向にまとめようと思います。


日経コンピュータの同じ号に『高速に開発、柔軟に変更
エンタープライズRubyの真価』という記事が載っていました。

「Rubyの活躍の場が、当初の消費者向けWebアプリケーションから、
企業情報システムにまで広がり始めた」という内容の記事です。

この記事の一部はネットでも見られます。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NC/20101105/353848/


慶はいち早くRubyに着目し、自社サービスはRubyで開発しています。
そのノウハウが今後生きてくるはずです。

 例:農家.com:http://www.nou-ka.com/  


また、農家.comには農業そのものに吹く風もあり、契約農家数、
商品数を伸ばしています。



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[技術動向] (6)仮想化と新サービス
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仮想化という強力な風も吹いています。

日経コンピュータの同じ号に次の記事が載っていました。

・『サーバー統合でグリーンITに貢献 シンクライアントも効果大』

・『DATA & DATA ─ デスクトップ仮想化市場は2010年度に475億円』

・『仮想化専用のセキュリティ対策製品が続々 エージェント無くし
  スキャン負荷を低減』


慶が現在企画している医療系サービスも最先端の仮想化技術を用います。

請負開発事業では向い風の中で前進するヨットのようにジグザグに前進し、
自社サービスでは追い風に乗り前進したいものです。



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October 09, 2010

仮想化の原型

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第231号  2010/10/09 『仮想化の原型』
  ▼  まえがき
  ▼  [技術動向] (1)ぼくを新たな高みへと引き上げてくれた本
  ▼  [技術動向] (2)1989年に日本語版が出版されたとき
  ▼  [技術動向] (3)20年前は軽く読み飛ばした章
  ▼  [技術動向] (4)マルチプログラミングと拡張マシンを分離
  ▼  [技術動向] (5)仮想化の原型


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  まえがき
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株式会社慶の蒲生嘉達です。

今回は、仮想化技術の原型となったIBMのVM/370について話します。


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[技術動向] (1)ぼくを新たな高みへと引き上げてくれた本
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アンドリュー・タネンバウム著「MINIXオペレーティング・システム」
(原題: Operating Systems: Design and Implementation )は
Linux誕生のきっかけとなった名著です。

Linuxを開発したリーヌス・トーヴァルズ氏は、この本について
「ぼくを新たな高みへと引き上げてくれた本」と言っています。


> リーヌス・トーヴァルズは、先述のオペレーティングシステムの
> 教科書の一つ Operating Systems: Design and Implementation と
> MINIX に強く刺激を受け、これをきっかけとしてLinuxカーネルを
> 開発した。
> リーヌスは、自叙伝 "Just For Fun" (風見潤訳 『それがぼくには
> 楽しかったから』) で、その教科書について「ぼくを新たな高みへと
> 引き上げてくれた本」と、述べている。
(
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%83%8D%E3%83%B3%E3%83%90%E3%82%A6%E3%83%A0 )



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[技術動向] (2)1989年に日本語版が出版されたとき
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「MINIXオペレーティング・システム」の原著は1987年に出版され、
1989年に日本語版が出版されました。

「MINIXオペレーティング・システム」の最新版:
 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894717697/keiitteanifty-22


全部で700ページ以上の大著です。
その中にMINIXのソースコードが約200ページ含まれています。

1989年に日本語版が出版されたとき、私も購入し、本文は全て読み、
MINIXのソースコードも半分位読みました。



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[技術動向] (3)20年前は軽く読み飛ばした章
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「MINIXオペレーティング・システム」の中の「1.5 オペレーティング・
システムの構造」の節に「1.5.4 仮想マシン」という章があります。

20年前は「UNIXやPCには関係ない」と軽く読み飛ばした章ですが、
PCでの仮想化が当たり前になった今読むと実に面白いです。

「1.5.3 仮想マシン」の章はわずか1ページの短い章です。

その8割程度を「新航海術の補足ブログ」の下記記事に引用しました。
「仮想マシン」の誕生の経緯とその本質が、簡潔に分かりやすく、
魅力的に書かれています。

 [新航海術の補足ブログ]仮想マシンの誕生
 http://www.gamou.jp/comment/2010/10/post-e116.html



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[技術動向] (4)マルチプログラミングと拡張マシンを分離
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VM/370はIBMが1970年に製品化したシステムです。

タネンバウム氏はVM/370を「かなり鋭い考察に基づいている」と
ほめています。

その理由は次のとおりです。

○当時最も求められていた機能は時分割システムであり、
○時分割システムは次の2つの機能を持つことであり、
・マルチプログラミング
・裸のハードウェアより便利なインターフェイスを備えた拡張マシン
○そして、VM/370はこれら2つの機能を完全に分離した。



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[技術動向] (5)仮想化の原型
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VM/370はマルチプログラミングのみを担当するレイヤです。

それによって提供される仮想マシンは、裸のハードウェアの正確な
コピーであり、カーネル/ユーザモード、入出力デバイス、割込み
および実際のマシンが持っているその他すべてが含まれています。

しかし、ファイルやその他の便利な機能は備えていません。

仮想マシンは実際のハードウェアと同一なため、そのハードウェア上で
直接実行できるオペレーティング・システムならどれでも実行できます。

現在流行っている仮想化の原型はここにあります。



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株式会社 慶
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July 05, 2010

日本のソフト会社は今後5年で半減する(?)

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第229号  2010/07/04 『日本のソフト会社は今後5年で半減する(?)』
  ▼  まえがき:すごい会議
  ▼  [技術動向] (1)日本のソフト会社は今後5年で半減する(?)
  ▼  [技術動向] (2)クラウドはソフト会社の数を増やさない
  ▼  [技術動向] (3)独立系下請会社に流れる仕事が減る
  ▼  [技術動向] (4)思いつきでは成功しないが、積極投資は命取りに
  ▼  [技術動向] (5)慶の挑戦
  ▼  あとがき:すごい会議の補足


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  まえがき:すごい会議
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株式会社慶の蒲生嘉達です。

6月8日(火)羅針盤21( http://r21.arrow.jp/ )で研修会が開かれました。
テーマは「すごい会議」、講師は(株)目標管理トレーニング 代表取締役 
加藤雅史氏でした。

面白かったので、「すごい会議」の提唱者である大橋禅太郎氏の著作
「すごい会議-短期間で会社が劇的に変わる!」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4479791183/keiitteanifty-22
も読み、早速社内の会議に取り入れました。



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[技術動向] (1)日本のソフト会社は今後5年で半減する(?)
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「日本のソフト会社は今後5年で半減すると思う。」

某中堅ソフト会社の営業部長と雑談している際、ふいに出てきた言葉です。

それを聞いたとき、私は「それはあり得る」と思いました。

現場を歩いているベテラン営業マンの直感の鋭さを感じました。



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[技術動向] (2)クラウドはソフト会社の数を増やさない
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ネットや雑誌では、クラウドについて次のような華やかな未来予測が
語られています。

 「クラウドコンピューティングの市場規模、5年後に約3倍の1436億円に」
 http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0903/25/news020.html


おそらく、この予測は正しいでしょう。

しかし、注意しなければならないことは、「市場規模が5年で3倍」
なのであって、「会社数が5年で3倍」ではないということです。

パブリッククラウドの主要プレーヤーは、Google、Amazon、Microsoft、
SalesForceの4社です。

パブリッククラウドは、メガプレーヤーが一人勝ちする世界であり、
市場規模が3倍になっても社数はこれ以上増えないでしょう。
むしろ、4社のうち1社くらい脱落するかもしれません。

プライベートクラウドの主要プレーヤーも、IBMや富士通などの大手
メーカーに限られます。



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[技術動向] (3)独立系下請会社に流れる仕事が減る
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第227号「クラウドが技術者に与える影響」で述べたとおり、
クラウドの市場規模が拡大するということは、次のことを意味します。

・インフラ系技術者の需要が減る。
・基盤系やミドルウェアの開発需要が減る。
・アプリケーション開発の案件規模が縮小する。


ユーザ企業のIT投資が回復しても、そのかなりの部分がクラウドに
向うなら、ソフトウェア受託開発会社がその恩恵を受けることは
ありません。

仕事が増えない中で余剰人員を抱えた大手元請会社は内製化を
進めています。
その結果、独立系下請会社に流れる仕事が減っています。


【関連記事】
 第227号「クラウドが技術者に与える影響」
 [Blog版] http://www.gamou.jp/sailing/2010/03/post-7560.html
 [HP版] http://www.kei-it.com/sailing/227-100319.html

 第223号「上は曇、下は雨」
 [Blog版] http://www.gamou.jp/sailing/2009/10/post-1e1f.html
 [HP版] http://www.kei-it.com/sailing/223-091012.html



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[技術動向] (4)思いつきでは成功しないが、積極投資は命取りに
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「受託ソフト開発からITサービスへ転換しろ」という提言はよく聞きます。
 例:http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20100517/348064/


弊社の周囲にも、下請けから脱却し、自社サービスを立ち上げようと
している会社は数多くあります。

しかし、成功している例は見たことがありません。

ビジネスモデル構築なしに、思いつきだけで、社内の余剰人員を使って
新規事業を立ち上げようとしても、成功するわけがありません。

あるいは、新規事業に果敢な積極投資をし、ある程度まで成功し
かけたが、現時点での主力事業である受託開発が不調のため、
資金が回らなくなり、困窮している例も身近にあります。

受託開発が不調な中での積極投資の失敗は、命取りになります。



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[技術動向] (5)慶の挑戦
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慶としては、「2010年度の慶の戦略」
http://www.gamou.jp/comment/2010/03/2010-b090.html を着実に
実行しています。

○客先常駐事業は、毎日ひたすら営業しています。

○請負開発事業は、積極的にエンドユーザに提案営業をしています。

○自社サービスについては、5月に東京都中小企業振興公社の
「地域資源活用イノベーション創出助成事業」に申請しました。
 理由は下記のとおりです。

 ・開発資金を調達する。
 ・申請書を書きあげる中でビジネスモデルをブラシュアップする。
 ・自社が考えているビジネスモデルについて客観的評価を得る。



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あとがき:すごい会議の補足
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まえがきで紹介した「すごい会議」についての補足です。

「すごい会議」について学びながら、私は去年11月に読んだ次の本を
思い出しました。

林 成之著「脳に悪い7つの習慣」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344981448/keiitteanifty-22


「脳に悪い7つの習慣」のテーマは「自分自身とチームの脳の
パフォーマンスを最大限に発揮する」であり、「すごい会議」は
そのツールとして使えると思います。



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May 05, 2010

プライベートクラウド vs. パブリッククラウド

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第228号  2010/05/05 『プライベートクラウド vs. パブリッククラウド』
  ▼  まえがき
  ▼  [技術動向] (1)プライベートクラウドの利点
  ▼  [技術動向] (2)パブリッククラウドの方が安全(?)
  ▼  [技術動向] (3)パブリッククラウドの問題点
  ▼  [技術動向] (4)日本に残された唯一
  ▼  [技術動向] (5)プライベートクラウドはクラウドか論争
  ▼  [技術動向] (6)プライベートクラウドの弱点
  ▼  [技術動向] (7)パブリッククラウドとの競争による価格破壊が進む
  ▼  あとがき:慶の取り組み


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  まえがき
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株式会社慶の蒲生です。

本日はプライベートクラウドについて話します。

クラウド及びプライベートクラウドとは何かについては下記の記事を
参照してください。

 [新航海術の補足ブログ]クラウドについての基礎知識
 http://www.gamou.jp/comment/2010/03/post-f0cc.html


尚、上記記事で「典型的なクラウド」と呼んだ「クラウド」を、
今回は「パブリッククラウド」と呼んでいます。



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[技術動向] (1)プライベートクラウドの利点
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IBM、富士通などの大手コンピュータメーカーはプライベートクラウドの
販売に力を入れています。
また、大企業もプライベートクラウドで固めたがっています。

プライベートクラウドの利点として一般に言われていることは次の二つです。

・企業グループの連結決算に向いている。
・セキュリティが確保できる。

私は連結決算についての知識は乏しいので、セキュリティについてのみ
話します。



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[技術動向] (2)パブリッククラウドの方が安全(?)
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プライベートクラウドに懐疑的な人は、
「過去にクレジットカードデータなどの個人情報漏えいが発生したのは
全て一般企業の自社システムからである。Google、Amazonでそのような
情報漏えいが発生したことはない。したがって、むしろパブリック
クラウドの方が安全である」と主張します。

また、「企業の不祥事がマスメディアで報道される場合、その情報源は
その企業のサーバー管理者であることが多い」(岸博幸著「ネット
帝国主義と日本の敗北」より)という指摘もあり、パブリッククラウド
の方が安全という主張にも一理あります。



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[技術動向] (3)パブリッククラウドの問題点
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しかし、パブリッククラウドは自分で制御できないブラックボックスです。

確かに現時点では情報漏えいの例がないとしても、将来何が起きるかは
分かりませんし、パブリッククラウドは囲い込みがきついので、
何か起きたときには後戻りができなくなっています。

先の「企業の不祥事がマスメディアで報道される場合、その情報源は
その企業のサーバー管理者であることが多い」という引用も、実は、
「だからサーバー管理者を米国企業に任せるのは危険」という文脈の
中の一文です。


岸博幸氏は「ネット帝国主義と日本の敗北」
( http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/434498157X/keiitteanifty-22 )
の中で、米国による情報支配の危険性を説き、次のように指摘しています。

「日本は、行政や民間、更にはネット評論家の類いの人も含め、
クラウド・コンピューティング・サービスをあまりに無邪気に受け入れ
過ぎているように思います。」

詳細は、下記記事を参照してください。

 [新航海術の補足ブログ]「ネット帝国主義と日本の敗北」からの引用
 http://www.gamou.jp/comment/2010/05/post-d71f.html



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[技術動向] (4)日本に残された唯一
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「米国のネット企業のプラットフォーム・サービスをまったく利用
しないことは無理ですが、競争力のある同様のサービスや手段を国内に
持つことは、競争の観点のみならず安全保障の観点からも重要なのです。」
(岸博幸著「ネット帝国主義と日本の敗北」より)

パブリッククラウドベンダーを国内で育成することが理想ですが、
それができないなら、官公庁や大企業単位のプライベートクラウド
によって情報の安全保障をするのが、日本に残された唯一の道だと
私は思います。



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[技術動向] (5)プライベートクラウドはクラウドか論争
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次にプライベートクラウドの問題点について考えてみましょう。

下記は米国国立標準技術研究所(National Institute of Standards
and Technology, NIST)によるクラウドコンピューティングの定義です。

(1)On-demand self-service
 ユーザー側から自動的に、必要な機能のプロビジョニングが可能である
(2)Broad network access
 さまざまなクライアントから標準的なネットワークプロトコルで利用できる
(3)Resource pooling
 コンピュータ資源が、マルチテナントモデルでプールされ、複数の
 ユーザーに提供可能である。ユーザーは資源の物理的な位置に関知しない
(4)Rapid elasticity
 提供される機能が、迅速に、弾力的にプロビジョニングできる
(5)Measured Service
 メータリング機能を使って、計算機資源の利用状態をコントロールしたり
 最適化したりできる

(「企業システムにおけるクラウドコンピューティング」
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20100414/347059/?ST=keyword より)


プライベートクラウドを推進する側の人は、上記定義を引き合いに出して、
「だから、プライベートクラウドもクラウドだ」と言います。

しかし、この定義には、パブリッククラウドの最も重要な利点である
「従量課金性」が含まれていません。
従量課金性をクラウドの特質と考える人は、「プライベートクラウドは
クラウドではない」と言います。




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[技術動向] (6)プライベートクラウドの弱点
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企業がベンダーと結ぶ契約は、パブリッククラウドの場合は従量制で
解約可能なサービス契約なのに対し、プライベートクラウドの場合は
リース契約、または、売買契約です。

リース契約の場合、期間も金額も固定で事実上解約不可能な債務が
発生します。
売買契約の場合も大概は金融機関からの借り入れで賄われるので、
やはり期間も金額も固定の解約不可能な債務が発生します。

プライベートクラウドの弱点はここにあります。

・需要が減っても債務は減らない。
・パブリッククラウドの場合は常にそのときの最新ハード・ソフトが
 使用できるが、プライベートクラウドの場合は最初は最新であっても
 すぐに時代遅れになる。
・自社物件だけではスケールメリットにおいてパブリッククラウドに
 かなわない。



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[技術動向] (7)パブリッククラウドとの競争による価格破壊が進む
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但し、レンタルがリースや所有よりも常に安上がりだとは限りません。
使用形態、使用頻度、使用期間次第です。

また、パブリッククラウドは囲い込みがきついので、通常の物品の
レンタルと異なり、実際には「解約」は難しいです。

Google App Engineでシステムを作った企業が他のPaaSベンダーに
乗り換えようとしたら、プログラムを全面的に書きかえる必要があります。
Force.comの場合は販売チャネルとセットなので、事実上解約不可能です。

また、上述のとおり、情報の安全保障という点では、パブリッククラウド
は結局は高くつくかもしれないのです。


これらの点を考慮しても、変化が激しいITの世界で、プライベートクラウド
という固定的な資産(あるいは債務)を抱えることは、企業にとっては、
大きなリスクを伴うことになります。
また、スケールメリットという点ではパブリッククラウドにはかないません。


したがって、プライベートクラウドを導入する企業は、パブリッククラウド
の価格を意識して価格交渉をしてくるでしょう。

それ故に、ハードもソフトもパブリッククラウドベンダーとの競争による
価格破壊が進むでしょう。



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あとがき:慶の取り組み
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現在、慶は、自社サービスとしてSaaSの開発を検討しています。

今後、研究成果を情報発信していきます。




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March 19, 2010

クラウドが技術者に与える影響

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第227号  2010/03/19 『クラウドが技術者に与える影響』
  ▼  まえがき
  ▼  [技術動向] (1)3年半前の記事
  ▼  [技術動向] (2)クラウドという巨大な潮流
  ▼  [技術動向] (3)クラウドがインフラ系技術者に与える影響
  ▼  [技術動向] (4)クラウドがソフトウェア技術者に与える影響
  ▼  [技術動向] (5)中小企業から導入が始まる
  ▼  [技術動向] (6)景気が回復しても以前の状況に戻ることはない

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  まえがき
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蒲生嘉達(がもうよしさと)です。

クラウドの潮流が鮮明に見えてきました。
本日は、クラウドが技術者に与える影響について話します。

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[技術動向] (1)3年半前の記事
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私は2006年10月に「ウェブサービス時代のソフトウェア会社」という
記事を書きました。

 第148号:ウェブサービス時代のソフトウェア会社
 [Blog版] http://www.gamou.jp/sailing/2006/10/post_8d27.html
 [HP版] http://www.kei-it.com/sailing/148-061009.html

その記事の要旨は次のとおりでした。

(A)Web2.0の世界では下記の3人のプレーヤーが、主役となる。

・ウェブサービスAPIを提供する巨人
・厖大なアマチュア群
・ウェブサービスAPIを利用してインターネットサービスを提供する
 小さな会社

(B)基盤系ソフトウェアやミドルウェアは、ウェブサービスAPIや
 オープンソースに置き換わっていく。
 したがって、基盤系やミドルウェアのパッケージ開発は減る。
 基盤系やミドルウェアの請負開発も減る。

(C)アプリケーション系パッケージは開発コストとユーザの意識が
 乖離する。

(D)アプリケーション系請負開発は単純には減らない。
 しかし、競争激化によって価格破壊が進む。

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[技術動向] (2)クラウドという巨大な潮流
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上記記事は3年半前に書かれたものです。

今読んでも大きな間違いはありませんが、3年半前にはまだぼんやり
していた潮流が、ここ数カ月の間にありありと鮮明に見えてきました。

上記記事で「ウェブサービスAPI」と呼んでいるものは、Googleや
Amazonがネット経由で提供するプログラミングツールのことです。

それがコンピュータ業界そのものを根底からくつがえすような巨大な
潮流へと進化してきました。

「クラウド」という名前で・・・。

クラウドについての基礎知識は「新航海術の補足ブログ」の下記記事を
参照してください。

 [新航海術の補足]クラウドについての基礎知識
 http://www.gamou.jp/comment/2010/03/post-f0cc.html

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[技術動向] (3)クラウドがインフラ系技術者に与える影響
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クラウドがソフトウェア会社や技術者に与える影響も、鮮明に見えて
きました。

まず、インフラ系技術者(ネットワーク技術者、サーバー技術者)が
直接的な影響を受けます。

サーバーは物理的に統合されていきます。
大企業の社内でも、そして地球規模でも、インフラの一極集中が起きます。

そうするとインフラを導入しメンテナンスする技術者の居場所も統合
されていきます。

クラウドベンダー内には少数の極めて優秀なエンジニアが必要ですが、
ユーザ側はクラウドの仕様が理解できる程度の初級技術者または
オペレーターで十分という構図になってきます。

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[技術動向] (4)クラウドがソフトウェア技術者に与える影響
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ソフトウェア技術者への影響は比較的緩やかですが、ソフトウェア
技術者の仕事も確実に変化していきます。

上記「ウェブサービス時代のソフトウェア会社」で述べた(B)(C)(D)を
少し書き変えます。

-----------------------------------

(B)基盤系ソフトウェアやミドルウェアは、クラウドに置き換わっていく。
 したがって、基盤系やミドルウェアのパッケージ製品は減る。
 基盤系やミドルウェアの請負開発も減る。

(C)アプリケーション系パッケージも、かなりの部分がクラウドに
 置き換わっていく。
 置き変わらない部分についてもSaaSとの競争で価格破壊が進む。

(D)アプリケーション系請負開発もある程度減る。
 SaaSの利用で案件規模が縮小する。
 SaaSとの競争で価格破壊が進む。

-----------------------------------

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[技術動向] (5)中小企業から導入が始まる
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クラウドには「アメリカのクラウドベンダーに囲い込まれる」という
巨大な落とし穴があります。

したがって、官庁、大企業、特に金融系が急速にクラウドに変わると
いうことはありません。

変わるとしても「プライベートクラウド」と呼ばれる形態になるでしょう。
プライベートクラウドについては下記記事を参照してください。

 [新航海術の補足]クラウドの基礎知識
 http://www.gamou.jp/comment/2010/03/post-f0cc.html

クラウドへの移行は、クラウドベンダーに囲い込まれるという将来的な
巨大なリスクよりも、目先のコストダウンを優先させる中小企業から
始まるでしょう。

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[技術動向] (6)景気が回復しても以前の状況に戻ることはない
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今後景気が回復しても、クラウドの影響によって、インフラ技術者も
ソフトウェア技術者も数的な需要はさほど増えないことが予想できます。

それを前提にして事業計画を立てる必要があります。

 関連記事:[新航海術の補足]2010年度の慶の戦略
 http://www.gamou.jp/comment/2010/03/2010-b090.html

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February 08, 2010

仮想化

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第226号  2010/02/08 『仮想化』
  ▼  まえがき
  ▼  [技術動向] (1)「仮想化」を頻繁に聞くようになった
  ▼  [技術動向] (2)仮想化についての基礎知識
  ▼  [技術動向] (3)開発者にとっては常識的な技術
  ▼  [技術動向] (4)3月1日の仮想化セミナーにご招待


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  まえがき
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蒲生嘉達(がもうよしさと)です。

本日は「仮想化」という技術的なトレンドの話をします。



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[技術動向] (1)「仮想化」を頻繁に聞くようになった
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最近「仮想化」という言葉を頻繁に聞くようになりました。

例:
 オンラインでもオフラインでも使える仮想デスクトップ「VERDE」
 http://enterprise.watch.impress.co.jp/docs/news/20090825_310636.html

 基幹系業務システムを「ブレードサーバとVMware Infrastructure 3」の
 仮想環境で再構築
 http://primeserver.fujitsu.com/primergy/casestudy/higashihiroshima/


社内の技術者の会話にも「仮想化」という言葉がよく出てくるように
なりました。



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[技術動向] (2)仮想化についての基礎知識
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私も最初はこれらの「仮想化」が理解できなかったので、ほんの少し
勉強しました。
(日経コンピュータの仮想化関連記事を読んだだけですが・・・。)


そして、仮想化についての基礎知識を「新航海術の補足ブログ」の下記の
記事にまとめました。

 [新航海術の補足]仮想化についての基礎知識
 http://www.gamou.jp/comment/2010/02/post-6974.html


A4一枚程度の短い記事ですが、この程度理解しておけば、営業で
仮想化の話が出てきても困らないと思います。

より詳しい技術資料も、この程度の基礎知識があれば、読みこなせると
思います。



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[技術動向] (3)開発者にとっては常識的な技術
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仮想化の主目的が「ファイルサーバーの統合」であった時代には、
アプリケーション技術者は、仮想化を意識する必要はありませんでした。

しかし、仮想化の波が基幹システムに及ぶとなると、アプリケーション
技術者にとっても仮想化についての知識は必須となります。

さらに、仮想デスクトップ、アプリケーション仮想化(Office2010など)
が普及してくると、仮想化は一般ユーザにとっても身近なものになります。

開発者にとっては常識的な技術となってくるでしょう。



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[技術動向] (4)3月1日の仮想化セミナーにご招待
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さて、慶は「羅針盤21」という中小ソフトウェア会社の業界団体に
参加しています。

 羅針盤21ホームページ:http://r21.arrow.jp/


羅針盤21では年に数回研修会が開かれます。

3月1日(月)に行われる次回研修会では「仮想化」について専門家に
講演していただくことになりました。

 日時:3月1日(月)15:30~16:30 
 テーマ:仮想化、クラウド、Amazon EC2
 講演者:株式会社サーバーワークス
 会場:関東ITソフトウェア健保会館 会議室
  http://www.its-kenpo.or.jp/restaurant/okubo_kaigisitu/index.html


本メルマガの読者で聴講を希望される方がいらっしゃったら、
下記までご連絡ください。

 羅針盤21事務局 riji@r21.arrow.jp

席に余裕があれば(多分大丈夫です)、ご招待いたします。



尚、羅針盤21では新規会員を募集しております。

3月1日(月)はセミナー後に、懇親会も予定しておりますので、
羅針盤21そのものにご興味をお持ちの方も、是非ご一報ください。



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