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December 2009

December 31, 2009

3つのルールがある碁盤

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_/_/_/_/_/_/_/  ソフトウェア業界 新航海術  _/_/_/_/_/_/_/_/_/
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第225号  2009/12/31 『3つのルールがある碁盤』
  ▼  まえがき:今回のテーマ
  ▼  [労働法の森] (1)3つのルールがある碁盤
  ▼  [労働法の森] (2)1日8時間を超えた
  ▼  [労働法の森] (3)1週40時間を超えた
  ▼  [労働法の森] (4)1日の所定労働時間が7時間
  ▼  [労働法の森] (5)祝日のある週
  ▼  [労働法の森] (6)法内残業
  ▼  [労働法の森] (7)「週40時間超え」と「1日8時間超え」
  ▼  [労働法の森] (8)法定休日出勤


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  まえがき:今回のテーマ
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蒲生嘉達(がもうよしさと)です。

今年最後のメルマガは「労働法の森」シリーズです。

第190号「3種類の基本的な労働時間制度」で書いたとおり、
ソフトウェア会社の技術職の労働時間制度は下記の3つの制度の
どれかが採用されています。

・従来型の制度(本メルマガでは「固定時間制度」と呼んでいます)
・フレックスタイム制度
・裁量労働制度

 第190号「3種類の基本的な労働時間制度」
 [Blog版] http://www.gamou.jp/sailing/2007/08/post_7666.html
 [HP版] http://www.kei-it.com/sailing/190-070806.html


大部分のプログラマ・SEはフレックスタイム制度または裁量労働制度
の下で働いていますが、運用系など時間の制約が厳しい仕事では
今でも従来型の固定時間制度が採用される場合が多いです。


今回は固定時間制度での時間外労働などについて解説します。

フレックスタイム制度または裁量労働制度での時間外労働などについては、
第217号「フレックスタイム制と裁量労働制」を参照してください。

 第217号「フレックスタイム制と裁量労働制」
 [Blog版] http://www.gamou.jp/sailing/2009/02/post-5c53.html
 [HP版] http://www.kei-it.com/sailing/217-090218.html



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[労働法の森] (1)3つのルールがある碁盤
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時間外労働、休日出勤などについては様々なサイトで解説されていますが、
私が次に述べる説明ほど分かりやすい説明はないと思います。


(1)3つのルールがある碁盤

次のような碁盤をイメージしてください。


日 ●●●
月 □□□□□□□□■
火 □□□□□□□□
水 □□□□□□□□
木 □□□□□□□□
金 □□□□□□□□
土 ■■


月曜日から土曜日までは□と■を並べることができます。
□は通常の労働、■は時間外労働を表しています。

ここには、次のルールがあります。

【ルール1】□は1週40個までしか並べられない。
      それ以上に並べようとすれば、■になる。
【ルール2】□は1日8個までしか並べられない。
      それ以上に並べようとすれば、■になる。

また、日曜日(法定休日)に関して、もう一つルールがあります。

【ルール3】日曜日には●しか並べられない。

●は休日出勤を表します。
■は25%以上、●は35%以上の割増の賃金の支払が必要です。


尚、ここでは話を簡単にするため、日曜日を法定休日としていますが、
必ずしも日曜日を法定休日とする必要はありません。
細かい話は下記を参照してください。

 [新航海術の補足ブログ]労働時間と休日についての基礎用語
 http://www.gamou.jp/comment/2009/12/post-4077.html



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[労働法の森] (2)1日8時間を超えた
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さて、様々なパターンについて見ていきましょう。


(2)1日8時間を超えた

日 
月 □□□□□□□□
火 □□□□□□□□■
水 □□□□□□□□
木 □□□□□□□□
金 □□□□□□□□
土 


平日(火曜日)に9時間働いた例です。

この場合は、【ルール2】が適用され、8時間を超えた1時間が■
(時間外労働)になります。



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[労働法の森] (3)1週40時間を超えた
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(3)1週40時間を超えた


月 □□□□□□□□
火 □□□□□□□□
水 □□□□□□□□
木 □□□□□□□□
金 □□□□□□□□
土 ■■■■■■


これは土曜日に6時間働いた例です。
この場合は、【ルール1】が適用され、40時間を超えた6時間が■に
なります。

平日毎日8時間働いたら□が40個になるので、土曜日は全て■になります。

尚、土日週休二日制を採用している会社で日曜日を法定休日とした
場合は、土曜日は労働基準法上は「休日」ではありません。
会社が独自に定めた休日なので、「法定外休日」と呼ばれます。

「法定外休日」についての詳細は下記記事を参照してください。


 [新航海術の補足ブログ]労働時間と休日についての基礎用語
 http://www.gamou.jp/comment/2009/12/post-4077.html



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[労働法の森] (4)1日の所定労働時間が7時間
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(4)1日の所定労働時間が7時間

会社によっては1日の所定労働時間が7時間という場合もあります。
(「所定労働時間」とは会社の就業規則などで決められた労働時間
のことです。)

その場合は、土曜日に6時間働いても次のようになります。


月 □□□□□□□
火 □□□□□□□
水 □□□□□□□
木 □□□□□□□
金 □□□□□□□
土 □□□□□■


平日7時間×5日=35時間勤務。
土曜日の労働時間のうち40時間を超えた部分(この例では1時間)
のみが■となります。



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[労働法の森] (5)祝日のある週
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(5)祝日のある週

1日の所定労働時間が8時間の会社でも平日の勤務が40時間に満たない
場合があり得ます。

例えば、祝日のある週です。


月 □□□□□□□□
火 (祝日)
水 □□□□□□□□
木 □□□□□□□□
金 □□□□□□□□
土 □□□□□□

この例では、平日の労働時間は、8時間×4日=32時間なので、
土曜日に6時間働いても、□の数は38個です。

【ルール1】により、この週は■が発生しません。



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[労働法の森] (6)法内残業
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(6)法内残業

1日の所定労働時間が7時間の会社で、1日8時間労働した場合は
どうなるでしょうか?


月 □□□□□□□□
火 □□□□□□□
水 □□□□□□□
木 □□□□□□□
金 □□□□□□□
土 □□□□■■


例えば、月曜日に8時間働いた場合を考えてみましょう。

【ルール2】を思い出してください。□は1日8個まで並べられます。
つまり、月曜日の8時間目は、その会社の就業規則上は残業ですが、
労働基準法上は■(時間外労働)にはなりません。

これを「法内残業」と呼びます。
法内残業には割増なしの賃金が支払われます。

ちなみに、上の例では、(4)の例に比べて、平日の□が1つ増えたため、
【ルール1】によって土曜日の□が1つ■に変わっています。



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[労働法の森] (7)「週40時間超え」と「1日8時間超え」
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(7)40時間超え+8時間超え

次は、「週40時間超え」と「1日8時間超え」が重なる場合です。



月 □□□□□□□□
火 □□□□□□□□
水 □□□□□□□□
木 □□□□□□□□
金 □□□□□□□□
土 ■■■■■■■■■


この例では、平日の労働時間は40時間、土曜日の労働時間は9時間です。

土曜日の9時間は、週40時間を超えていると同時に、1日8時間も超えて
います。

この場合の時間外労働は何時間でしょうか?

「10時間(週40時間を超え9時間+1日8時間も超え1時間)」ではありません。
「9時間」が正解です。

図を見れば■は10個にはなり得ないことが直感的に分かります。



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[労働法の森] (8)法定休日出勤
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(8)法定休日出勤

最後に法定休日出勤について見てみましょう。

日 ●●●●●●●●
月 □□□□□□□□
火 (祝日)
水 □□□□□□□□
木 □□□□□□□□
金 □□□□□□□□
土 □□□□□□


この例では日曜日に8時間働いています。
土曜日にも6時間働いています。
平日の総労働時間は32時間です。
土曜日、日曜日も含めると、この週の総労働時間は46時間です。

この場合、週の総労働時間46時間のうち40時間を超えた6時間が
時間外労働になるということはありません。

疑問に思う方は【ルール1】をもう一度読んでください。
「□は40個までしか並べられない」のであって、「□+●が40個まで
しか並べられない」ではないのです。



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