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September 2007

September 25, 2007

半日有給制度

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_/_/_/_/_/_/_/ ソフトウェア業界 新航海術 _/_/_/_/_/_/_/_/_/
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第193号 2007/9/25
▼ まえがき
▼ [労働法の森] (1)半日有給制度の不思議
▼ [労働法の森] (2)固定時間制と半日有給制度
▼ [労働法の森] (3)フレックスタイム制と半日有給制度
▼ [労働法の森] (4)仮説
▼ [労働法の森] (5)裁量労働制と半日有給制度
▼ 次回以降の予告


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まえがき
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蒲生嘉達です。

9月3日にメルマガ読者にお知らせしたとおり、最近、私は「ソフト
会社の心臓」の執筆に休日のかなりの時間を費やしています。
日本のソフトウェア業界の発展のために貢献できるような良い本に
したいと思っています。
( http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2007/09/1_8fbd.html 参照)

したがって、メルマガ「ソフトウェア業界 新航海術」は月1回または
2回の発行となります。

さて、第190号で「3種類の基本的な労働時間制度」について解説
しました。

 第190号「3種類の基本的な労働時間制度」:
 http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2007/08/post_7666.html


労務関係の主要な論点について考えるためには、この「3種類の
基本的な労働時間制度」についての理解が不可欠です。

その例として、今週は半日有給制度について考えてみましょう。

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[労働法の森] (1)半日有給制度の不思議
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労働基準法での年次有給休暇の原則は1日単位です。
しかし、半日有給休暇を認めている会社もあります。

半日有給制度は、一部の企業が自発的に作り出した制度です。

何故、労働基準法の原則に反して半日有給休暇を認めている会社が
あるのでしょうか?

また、一方では、半日有給制度を持たず、社員からも「半日有給休暇
を認めてくれ」という要望が出てこない会社も存在します。
それは何故でしょうか?


その答えのヒントは、第190号「3種類の基本的な労働時間制度」
にあります。

 第190号「3種類の基本的な労働時間制度」:
 http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2007/08/post_7666.html


労働時間制度と半日有給制度との関係について考えてみましょう。

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[労働法の森] (2)固定時間制と半日有給制度
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まず、固定時間制の下での半日有給制度について考えてみましょう。

「定時9:00~18:00、一日の所定労働時間8時間」の固定時間制を採用
している会社を想定して話します。

例えば、ある人が運転免許証の更新のために午前中休み、13:00に
出社したとしましょう。

その日その人が18:00に退社したら、一日の労働時間が3時間不足し、
給料が3時間分控除されてしまいます。
控除されないためには、その日は21:00まで働かなければなりません。
(休憩時間の規定がある場合には、退社時間はもっと遅くなります。)

また、たとえその日21:00まで働いたとしても、控除されないという
だけで、時間外労働手当は付きません。

その人がその月の給料を減らさないためには、別の日に3時間長く働き、
その時間外手当で埋め合わせるという方法も考えられます。

しかし、固定時間制の場合には、毎日の時間外労働の申請・承認は
必須です。

時間外労働は日々の業務の必要性のために生じるもので、「過去の
遅刻のために生じた不足分を補うための時間外労働」というものは、
本来はあり得ないことです。

つまり、固定時間制を採用している会社では、社員にとって、遅刻、
早退のダメージが大きく、しかもそれを回復することが難しいのです。

したがって、それを救済する手段として半日有給制度を求める強い
声が出てくるのです。

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[労働法の森] (3)フレックスタイム制と半日有給制度
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一方、フレックスタイム制の場合はどうでしょうか。

コアタイムを10:00から15:00まで(12:00から13:00までは休憩時間)
としたフレックスタイム制を採用している会社を想定して話します。

ある人が運転免許証の更新のために午前中休み、13:00に出社したと
しましょう。

コアタイムに対する2時間の遅刻なので、何らかのペナルティーを
受ける可能性はあります。
しかし、ほとんどの会社の就業規則や「フレックスタイム制に関する
労使協定」では、コアタイムに対する遅刻、早退に対するペナルティは
緩やかです。例えば、次のように規定されます。

> 従業員がコアタイムの全部又は一部を勤務しなかった場合においても、
> 当該清算期間の実労働日数が第○条に定める総労働時間を勤務
> している限りにおいて、賃金は控除しない。
> ただし、人事考課、賞与の査定においては欠勤・遅刻の回数を考慮
> するものとする。


要するに、フレックスタイム制では、清算期間の総労働時間を満たして
さえいれば賃金カットされることはないのです。
「人事考課、賞与の査定においては・・・」云々も、きちんとした
理由で事前申請していれば、ほとんど影響ないでしょう。

しかも、フレックスタイム制では、日々の残業申請は必要ありません。
フレックスタイム制は労働時間を日単位ではなく、月単位に管理する
制度ですから。
したがって、遅刻した日の不足分を他の日に多く働いて埋め合わせする
ことは容易です。

したがって、フレックスタイム制を採用している会社では、半日有給
休暇制度を求める強い声は出てきません。

逆に、たかが2時間の遅刻で、本来4時間の労働に相当する半日有給を
使いたくないという気持ちの方が強くなるでしょう。

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[労働法の森] (4)仮説
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この問題について私は他社を調査していませんが、上記のことを
踏まえて、次のような仮説を立てています。

・半日有給休暇を認めている会社は固定時間制を採用している。
・半日有給休暇を認めていない(というよりも関心がない)会社は
 フレックスタイム制を採用している。

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[労働法の森] (5)裁量労働制と半日有給制度
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それでは、裁量労働制の場合はどうでしょうか?

普通に考えると、裁量労働制はフレックスタイム制よりもさらに
自由度が増すので、半日有給制度の必要性はさらに低下するように
思えます。

しかし、私は裁量労働制と半日有給制度は意外と相性が良いかも
しれないと考えています。

機会があれば、このことについてお話しします。


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次回以降の予告
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次号は、10月中旬発行予定です。

乞うご期待!!

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第33号(2004年7月19日号)からは「まぐまぐ!」で一般の方々にも公開する
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September 03, 2007

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蒲生嘉達です。

残暑も和らぎ秋の気配がしてきましたね。

メルマガ「ソフトウェア業界 新航海術」は、2003年12月8日の創刊以来、
ほとんど毎週発行してきました。

しかし、第192号でも述べたとおり、バックナンバーのコンテンツが
充実してきたので、今後はその体系化の方にエネルギーをつぎ込みたいと
考えています。
その手始めとして、現在「ソフト会社の心臓」を執筆中です。

 第192号:(1)出版計画進行中
 http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2007/08/post_9de7.html


これまでもメルマガは休日に書いていましたが、その休日の時間を
体系化の方に振り向けます。

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