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August 2007

August 27, 2007

製造業の在庫とソフトウェア業の仕掛品

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_/_/_/_/_/_/_/ ソフトウェア業界 新航海術 _/_/_/_/_/_/_/_/_/
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第192号 2007/8/20
▼ まえがき
▼ [会社の心臓] (1)出版計画進行中
▼ [会社の心臓] (2)製造業の資金の循環サイクル
▼ [会社の心臓] (3)製造業の在庫とソフトウェア業の仕掛品
▼ [アクセス解析] 過去1ヶ月間でアクセスの多い記事
▼ 次回以降の予告


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まえがき
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蒲生嘉達です。

この猛暑のせいか、今年は自宅のベランダでもホテイアオイの花が
よく咲きます。(去年は咲きませんでした。)

涼しげな姿を残暑見舞いとして贈ります。
http://kei-it.tea-nifty.com/small/2007/08/post_c956.html

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[会社の心臓] (1)出版計画進行中
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さて、第186号で予告したとおり、出版計画を進めています。

 第186号:出版とパッケージソフトウェア開発
 http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/cat6959849/index.html


小冊子「会計は会社の心臓」の発展形ですが、内容的にも大幅に
リニューアルし、ページ数は小冊子版の倍くらいになります。

題名も「ソフト会社の心臓」に変えます。
この題名には、従来からの「会計は会社の心臓」という意味以外に
下記の意味が付け加えられています。

・よりソフト会社に特化した書き方をする。
・ソフト会社の温かい心を表現したい。
(マーシャルの「ウォーム・ハート、クール・ヘッド」を少し意識)


ソフト会社の経営者、管理職が常に立ち戻れるような本にしたいと
思っています。

また、「ソフトウェア業界 新航海術」バックナンバーもコンテンツが
充実してきたので、「ソフト会社の心臓」以外にも体系化して
いきたいと思っています。

例えば、新営業マニュアル
http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/cat6624385/index.html は、
営業マンが常に立ち戻れるような小冊子にしたいです。


そして、何よりも私がそれらを土台とした経営をしていきたいのです。

しかし、平日は通常業務に全エネルギーをつぎ込んでいるので、
原稿書きは休日しかできません。

本日も原稿書きに時間を取られるので、メルマガは軽めにします。

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[会社の心臓] (2)製造業の資金の循環サイクル
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「ソフト会社の心臓」のミソは、ソフト会社で起きる様々な事象を
損益計算書と貸借対照表と関連付けて説明するところです。

実はそのヒントとなった記事があります。

「Q&A 経営者のための財務管理」の中の「資金の循環サイクル」
http://www.ccsjp.com/kaikei/kaikei103-2.htm です。

製造業の資金の循環サイクルが単純化して書かれています。


下記は「資金の循環サイクル」からの引用ですが、そのページに
飛ばなくても十分に理解できる内容でしょう。

ステップ1:資金調達
 株主から60、銀行から40の資金を調達し、現金100をもって事業を
 開始する。

ステップ2:調達資金の投資
 調達した現金で原材料を30、機械50を購入する。この結果、現金は
 20に減り、会社資産の構成が変化する。

ステップ3:製品の製造
 原材料や機械をもとに製品を製造する。この結果、会社資産の構成は
 左図のように、製品40、機械40、現金20へと変化する。

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[会社の心臓] (3)製造業の在庫とソフトウェア業の仕掛品
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これは非常に単純化した書き方ですが、製造業の本質を表現しています。

ここで注意すべきところは、次の点です。

製造業の場合、現金が最も減るフェーズは、原材料の購入と機械の
購入のフェーズです。製造時点では現金はあまり減りません。

また、製造業の在庫の計上金額(上記引用文では「製品40」)は、
「原材料+機械の減価償却」が大部分を占め、人件費の割合は非常に
少ないのです。
上記「資金の循環サイクル」で無視されているほど少ないのです。

それに対し、ソフトウェア業の場合は、現金が最も減るフェーズは
「ステップ3:製品の製造」のフェーズです。

ソフトウェア業で在庫にあたるのが仕掛品やソフトウェア資産ですが、
それらの計上金額の中身は、人件費のみと言っても過言ではありません。

詳しくは「ソフト会社の心臓」に書きます。

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[アクセス解析] 過去1ヶ月間でアクセスの多い記事
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ブログの魅力の一つは、アクセス解析機能にあります。

レンタルサーバ上にホームページを置いた場合、詳細なログは採れ
ますが、それを解析するのに手間がかかります。

CGIの解析ツールも多数出回っていますが、CGIをレンタルサーバに
設置するのに手間がかかります。
その点、ブログは実にお手軽に、様々なアクセス解析を見ることが
できます。一例をあげます。


<過去1ヶ月間でアクセスの多い記事>

解析対象期間: 2007年7月27日(金) ~ 2007年8月25日(土)

アクセス数: 2,137
訪問者数: 1,668

順位 タイトル 訪問者数 アクセス数
1 トップページ 140 234
http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/
2 瑕疵担保責任 129 164
http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2005/06/post_aa40.html
3 請負と派遣 94 131
http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/cat5986809/
4 AsIs(現状)とToBe(あるべき) 69 85
http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2007/06/asistobe_e60d.html
5 本社費は本当は変動するが配賦額は固定 48 61
http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2007/01/post_d4b7.html
6 3種類の基本的な労働時間制度 50 60
http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2007/08/post_7666.html
7 ファウラー氏の請負契約観 43 59
http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2005/05/post_deaf.html
8 請負開発を人月で見積もる理由 47 57
http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2006/04/post_3018.html
8 本社費の配賦 54 57
http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2006/11/post_bac0.html
10 裁量労働型の労働者派遣 47 53
http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2006/05/post_e73b.html
11 マイクロソフトの「ブルックスの法則」対策 40 52
http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2006/04/post_3020.html
12 外部設計と内部設計を並行して進めるのが正しいウォータフォール
  41 44
http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2005/03/post_0a52.html

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次回以降の予告
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次号は、9月3日発行予定です。

乞うご期待!!

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目的は「事業計画の背後にある基本的な考え方を語ること」です。

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ソフトウェア会社の経営者、管理者、技術者にとっても参考になると思い、
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August 13, 2007

YouTubeは画期的な独自技術ではない

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第191号 2007/8/13
▼ まえがき
▼ [グーグルの衝撃] (1)ネット産業はテクノロジー事業
▼ [グーグルの衝撃] (2)YouTubeは画期的な独自技術ではない
▼ [グーグルの衝撃] (3)YouTubeについて次に語りたいこと
▼ [グーグルの衝撃] (4)Amazonアフェリエイト
▼ 次回以降の予告


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まえがき
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蒲生嘉達です。

今週は「グーグルの衝撃シリーズ 第二部」です。

「グーグルの衝撃シリーズ 第二部」では、慶を含めて各社が独自
サービスを生み出す上でのヒントになるような話をしていきます。

本日はYouTubeについて話します。

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[グーグルの衝撃] (1)ネット産業はテクノロジー事業
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梅田望夫氏は「ウェブ進化論」の中で、次のようなことを主張して
います。要約して紹介します。

 グーグルはネット産業をテクノロジー事業としてとらえている。
 ヤフーやアマゾンなどの米国のネット列強もグーグルの影響を
 受けて、同じように考えるようになった。
 したがって、彼らには強烈なテクノロジー志向があり、テクノロ
 ジーを創造しようとしている。

 一方、楽天などの日本のネット企業はテクノロジーを創造する気
 はない。彼らはネット産業は「生活密着型サービス産業」であり、
 テクノロジーはサービスのために利用するものと考えている。

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[グーグルの衝撃] (2)YouTubeは画期的な独自技術ではない
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それなら、YouTubeはどうでしょうか?
テクノロジーを創造しようとしているのでしょうか?

確かに世界最大の動画配信サイトを構築し運用するには高度な技術が
必要なのでしょう。
しかし、それは画期的な独自技術と言えるほどのものでしょうか?

むしろ、要素技術を独自に開発するのではなく、既存のものをうまく
組み合わせて開発しているところがWeb2.0らしいのではないでしょうか。


梅田望夫著「ウェブ進化論」には、次のような話も出てきます。
これも要約して紹介します。

 グーグル・マップスというAPIが公開されたことにより、日本の
 某ベンチャーが、「たくさんの人たちが、それぞれ撮影した写真や
 書いた文章を、関連する場所を示す地図上に自由に添付できる
 サービス」を作った。(はてなマップ http://map.hatena.ne.jp/ )

 もしもこれをゼロから開発したら数億円以上かかったであろうが、
 グーグル・マップスAPIを使うことによって、エンジニア1人が
 わずか5日で作り上げることができた。


YouTubeとはてなマップとでは、サービスとしての普及率や規模は
比較になりませんが、既存の技術を組み合わせて、新規サービスを
短期間に作り上げたという点では似ているではないでしょうか。

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[グーグルの衝撃] (3)YouTubeについて次に語りたいこと
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YouTubeについては、メルマガ1回では語り切れません。

今回、話したかったことを要約すると次のようになります。

 YouTubeのような新しい世界的なサービスも、既存の技術を組み
 合わせて作られている。
 日本の中小ソフトウェア会社が、Googleの検索エンジンやAmazonの
 ウェブサービスそのものを作ることはできないが、YouTubeを作る
 ことは不可能ではない。


次に話すべきことは、「では、どのようなサービスを提供すればよいか」
ということでしょう。

ここで、キーワードとなるのが、「総表現社会、娯楽性、楽しさ」です。

それについては次号以降で解説していきます。


また、YouTubeについて語る上で、必須のテーマが著作権、法制度、
社会の体質です。
ここに日本からYouTubeが出てこない理由の一つがあります。

それについても次号以降で解説していきます。

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[グーグルの衝撃] (4)Amazonアフェリエイト
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今回は梅田望夫著「ウェブ進化論」についての言及が多かったですが、
実際には、坂村健著「変われる国・日本へ」からも想を得ています。

> 私が注目するのは、YouTubeが何も難しい技術を使っていないという
> ところです。インターネットの中でよく知られている技術を組み合
> わせるだけで、これだけのことができてしまう。
> 逆に言うと、Googleが目をつけて買ったのは画期的な独自技術など
> ではなく、YouTubeという仕組みの新規性だったのです。これが
> インターネットのすごいところなのです。
>           (坂村健著「変われる国・日本へ」より)


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引用の多い本のAmazonのアフェリエイトを設定してみました。
( http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/ )

左欄の下の方です。

興味ある本があれば、ここから購入してください。

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次回以降の予告
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次号は、8月20日発行予定です。

乞うご期待!!

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August 06, 2007

3種類の基本的な労働時間制度

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第190号 2007/8/6
▼ まえがき
▼ [労働法の森] (1)労働法が苦手な人たち
▼ [労働法の森] (2)3つの基本的な労働時間制度
▼ [労働法の森] (3)固定時間制
▼ [労働法の森] (4)フレックスタイム制
▼ [労働法の森] (5)裁量労働制
▼ [労働法の森] (6)それぞれの性格を正しく理解することが重要
▼ 次回以降の予告


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まえがき
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蒲生嘉達です。

今週から、労働法についてのシリーズを立ち上げます。

シリーズ名は「労働法の森」とします。

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[労働法の森] (1)労働法が苦手な人たち
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ソフトウェア会社の経営者、管理職のほとんどは技術畑または営業畑
出身です。

彼らは、技術や営業は得意です。

損益計算書レベルの会計も苦手ではないでしょう。
むしろ、プロジェクト単位などの収支管理は得意でしょう。

一方、彼らが最も苦手なのが、労働法です。

彼らは、長時間労働を厭わず、休日も自宅で仕事や勉強をしている
人たちです。
通勤電車の中でも、夜寝床についてからも、仕事のことを考えている
人たちです。
一般社員のときには、有給休暇を一杯溜めていた人たちです。

したがって、残業、遅刻、早退、欠勤、有給休暇など、細かいこと
(←彼らにとっては)については、あまり真剣に考えないのです。

ソフトウェア会社の経営者、管理職にとって、労働法の世界は、
細かい制約の多い暗い森のようなものです。

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[労働法の森] (2)3つの基本的な労働時間制度
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労働法の森シリーズでは、労働法の主要な論点を、くっきりはっきり
解説します。


今週号では、3つの基本的な労働時間制度について解説します。

ソフトウェア会社の技術職の労働時間制度は下記の3つの制度の
どれかが採用されています。
(今週号では、営業職のみなし労働時間制については割愛します。)

・固定時間制
・フレックスタイム制
・裁量労働制

時間外労働、遅刻、早退についての扱いは、この中のどれが採用
されているかによって大きく異なります。

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[労働法の森] (3)固定時間制
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【固定時間制】

就業規則で「定時9:00~18:00、一日の所定労働時間8時間」と決めた
場合を例にして説明します。

固定時間制では、遅刻、早退について一日単位に控除します。
その代わり、時間外労働の計算も一日単位に行います。

例えば、9:15に出社して18:15まで働いた場合はどうなるのでしょうか?

18:00から18:15までの15分は時間外労働とは見なされません。
9:00から18:00まで8時間働いた場合と同じ扱いとなります。

一日の所定労働時間を超えて働いた場合は時間外労働手当が付き
ますが、残業の申請・承認は必須です。

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[労働法の森] (4)フレックスタイム制
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【フレックスタイム制】

A.遅刻・早退

フレックスタイム制の場合、遅刻、早退は、コアタイムに対する
ものになります。

例えば、コアタイムを10:00から15:00まで(12:00から13:00までは
休憩時間)とした場合、コアタイム時間は1日4時間です。
遅刻・早退したために1日の労働時間が4時間未満となった場合は
何らかのペナルティーが課される可能性があります。
他の日に多く働いて、その月の労働時間が月間所定労働時間ピッタリ
だったとしても、・・・。

但し、そのペナルティーの内容は各社の就業規則や「フレックスタイム
制に関する労使協定」によります。


B.時間外労働

その月の労働時間が、月間所定労働時間を下回った場合には減額され、
超過した場合は、時間外労働手当が支払われます。

フレックスタイム制を導入した場合、日々の残業申請は意味が
なくなります。
時間外労働の管理の単位が、日ではなく、月になるからです。


C.深夜労働、休日労働

時間外労働は月単位に管理されますが、深夜労働、休日労働は
日単位に管理されます。
深夜労働、休日労働については、固定時間制と同じです。

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[労働法の森] (5)裁量労働制
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【裁量労働制】

A.遅刻・早退

裁量労働制とは労働時間を自分で管理する制度です。
したがって、遅刻・早退という概念そのものがなくなります。

出社時間、退社時間は、業務を遂行する上での効率性や合理性で
決められます。
したがって、遅刻・早退を理由に控除されることはありません。
但し、非常識な勤怠によって業務に支障が生じた場合は、賞与や
昇給でマイナスとなる可能性があります。


B.深夜労働、休日労働

裁量労働制であろうと、深夜労働、休日労働の扱いは、固定時間制や
フレックスタイム制と全く同じです。

この点は多くの経営者が誤解しています。


C.時間外労働手当

先に「遅刻・早退を理由に控除されることはない」と述べました。
「遅刻・早退がないのだから、時間外労働もないのだろう」と
考えがちですが、それは間違いです。

裁量労働制は、みなし労働制の一種です。
(そして、そのみなし労働時間については労使協定が必要です。)

みなし労働時間を超えるであろう仕事を割り当てる場合は、時間外
労働が発生します。

この点も多くの経営者が誤解しています。

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[労働法の森] (6)それぞれの性格を正しく理解することが重要
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固定時間制、フレックスタイム制、裁量労働制のどれが良いということ
はありません。

現在、この3つの時間制度が並存しているということは、それぞれの
利点があるからです。

それぞれの性格を理解した上で正しく運用することが必要なのです。

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次回以降の予告
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次号は、8月13日発行予定です。

乞うご期待!!

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