ITの発展が資本主義の変化をもたらしたのではない
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_/_/_/_/_/_/_/ ソフトウェア業界 新航海術 _/_/_/_/_/_/_/_/_/
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第139号 2006/8/07
▼ まえがき
▼ [グーグルの衝撃] ITバブルはソフト会社にとっては別世界の話
▼ [グーグルの衝撃] ITベンチャーは異業種の新興企業
▼ [グーグルの衝撃] ITバブルの発生と崩壊
▼ [グーグルの衝撃] ITが資本主義を変化させたのではない
▼ [グーグルの衝撃] WEB2.0バブル(?)
▼ 次回以降の予告
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まえがき
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蒲生嘉達(がもう よしさと)です。
第138号から「グーグルの衝撃」シリーズを開始しています。
このシリーズではIT業界の現在と未来について考えます。
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[グーグルの衝撃] ITバブルはソフト会社にとっては別世界の話
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第138号では、1990年代後半からITバブル崩壊までを概観しました。
第138号の前半の短納期化・低価格化の話は、ソフトウェア技術者や
ソフトウェア会社にとって、今現在でも進行している切実な問題です。
しかし、後半のITバブルの話は、ソフトウェア技術者やソフトウェア
会社経営者にとっては、いまひとつ実感が沸かない話だったのでは
ないでしょうか?
一般のソフトウェア技術者やソフトウェア会社にとって、1990年代
終盤から2000年にかけてのITバブルの発生と崩壊は、自分とは直接
関係のない別世界のできごとでした。
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[グーグルの衝撃] ITベンチャーは異業種の新興企業
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1999年から2000年にかけて株式公開した主なITベンチャーを10社
挙げてみました。
・グローバルメディアオンライン(旧インターキュー)
・光通信
・サイバー・ミュージックエンタテイメント
(旧リキッドオーディオジャパン)
・インターネット総合研究所
・クレイフィッシュ
・サイバーエージェント
・ライブドア(旧オン・ザ・エッヂ)
・楽天
・サイボウズ
・まぐクリック
この中でソフトウェア会社と言えるのは、サイボウズだけです。
それ以外の会社は、IT関連とは言ってもソフトウェア会社ではあり
ません。
1990年代終盤に登場したITベンチャーは、一般のソフトウェア会社
にとっては、単なる異業種の新興企業だったのです。
ITベンチャーが構想したことも、実際に行った事業も、一般のソフト
ウェア会社の受託開発や業務請負のビジネスには全く影響を与えません
でした。
ITベンチャーが新たな顧客になったり、そのITベンチャーが倒産して
貸し倒れ損失が発生したりすること以外は・・・。
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[グーグルの衝撃] ITバブルの発生と崩壊
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ドットコム企業に対する過剰な期待と、「ITが社会を変える」という
IT革命論によって、ITバブルは発生し、そしてバブル故に崩壊しました。
米国では多くのIT関連ベンチャーは倒産に追い込まれ、2002年の米国の
IT関連失業者数は56万人に達しました。
日本でも上で例示したようなITベンチャーの大半が、業績、株価
ともに低迷していました。
しかし、このITバブルの発生と崩壊によって、日本のソフトウェア
技術者やソフトウェア会社が影響を受けることはありませんでした。
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[グーグルの衝撃] ITが資本主義を変化させたのではない
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それでは、IT革命とは何だったのでしょうか?
岩井克人氏は「会社はこれからどうなるのか」で「IT革命もグローバル
化も金融革命も、それぞれが独立した現象ではなく、まさにポスト
産業資本主義の三つの現れ方にすぎない」と説いています。
> つい最近までIT革命の「革命性」を熱っぽく説いていた論者の
> 多くは、一種の技術史観にとらわれているのです。
> かれらは、情報技術(IT)の進歩のあまりの急激さと広範さに目を
> 奪われてしまい、情報技術の進歩によって資本主義の変化が引き起
> こされていると考えています。
> だが、このような考え方は、原因と結果を取り違えているのです。
> ・・・(中略)・・・
> 情報技術の発展が資本主義の変化をもたらしたのではないのです。
> 逆です。資本主義のポスト産業資本主義化が、情報技術の発展を
> うながしているのです。
私はこの見方は正しいと思います。
ポスト産業資本主義化の結果として発生している、標準化・短納期化・
低価格化の強烈な流れは、ソフトウェア技術者の仕事を根本的に変えて
しまいましたし、今でも変え続けています。
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[グーグルの衝撃] WEB2.0バブル(?)
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ところが、グーグルの登場によって、最近再びIT革命論が復活して
きました。
梅田望夫氏によれば、グーグルは「ITの進歩によってはじめて可能
となる新しい仕組みを是とし、人間の側こそがそれに適応していく
べき」という視点で世界を眺め、その視点で世界を作り直そうと
しているそうです。
しかも、(前回のITバブルと違い)ソフトウェア技術者の仕事も
ソフトウェア会社のあり方も大きく変えていくと主張しています。
これらの主張について、次号以降で考察します。
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次回以降の予告
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次号以降では次のようなテーマを取りげていきます。
グーグルの衝撃シリーズ:
・2000年のITバブル崩壊と日本のITベンチャー
・日本のITベンチャーとマネーゲーム
・2000年までのIT革命で社会が変わらなかった理由。
・梅田望夫氏が「ウェブ進化論」で「本当の大変化はこれから
始まる」と言っている理由。
・日本でのeコマースのプラットフォーム企業の例
ゴーイング・コンサーンシリーズ:
・会社は継続しなくてもよいという考え方もある。
・メリーチョコレートを支えている人事制度。
・IPOとゴーイング・コンサーン
技術系:
・メーカからの請負、エンドユーザからの請負
(品質管理、検収、瑕疵担保責任の違い)
・オブジェクト指向再論
・PMBOK
・SEO対策
外国系:
・中国は脅威か?
財務系
・資産と費用
経営系:
・壊れ窓の理論
法務系:
・コンプライアンス
・執行役の裁量の範囲と取締役会の決定権
労務系:
・雇用契約、裁量労働制、個人事業主
・景気回復、新卒の採用難、2007年問題
営業系:
・売れる営業マン
次号は、8月14日発行予定です。
乞うご期待!!
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本メルマガについて
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本メルマガは2003年12月8日に創刊されました。
創刊号 http://www.kei-it.com/sailing/01-031208.html で述べたとおり、
本メルマガのコンセプトは「読みものとしても面白い慶の事業計画」であり、
目的は「事業計画の背後にある基本的な考え方を語ること」です。
したがって、第一の読者としては、慶の社員(正社員・契約社員)及び
慶と契約している個人事業主を想定しています。
彼らには慶社内のメーリングリストで配信しています。
また、多くのソフトウェア会社・技術者が直面している問題を扱っているので、
ソフトウェア会社の経営者、管理者、技術者にとっても参考になると思い、
第33号(2004年7月19日号)からは「まぐまぐ!」で一般の方々にも公開する
ことにしました。
「まぐまぐ!」での読者数は2006年8月5日現在、521名です。
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