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July 10, 2006

20年後の危機

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_/_/_/_/_/_/_/ ソフトウェア業界 新航海術 _/_/_/_/_/_/_/_/_/
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第135号 2006/7/10
▼ まえがき
▼ [ゴーイング・コンサーン] ソフト会社は20年経ったときが苦しい
▼ [ゴーイング・コンサーン] 突然死する会社
▼ [ゴーイング・コンサーン] 普通の中小ソフトウェア会社とは
▼ [ゴーイング・コンサーン] 徐々に疲れていく会社
▼ [ゴーイング・コンサーン] 人は確実に変わる
▼ 次回以降の予告


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まえがき
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蒲生嘉達(がもう よしさと)です。

第133号からゴーイング・コンサーン(継続企業の前提)について
解説しています。

「ゴーイング・コンサーン」シリーズを最初から読みたい方は、
「バックナンバー ゴーイング・コンサーン」
http://www.kei-it.com/sailing/back_going.html を参照してください。

または、ブログ( http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/ )の
左列にあるCategories「ゴーイング・コンサーン」をクリックして
ください。

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[ゴーイング・コンサーン] 中小ソフト会社は20年経ったときが苦しい
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先日、某中小ソフトウェア会社のM会長が来社されました。
その方は、8年ほど前にソフトウェア会社を設立し、去年健康上の理由で
引退し、現在は取締役会長となられています。
年齢は60代で、この業界を長い間見てこられた方です。

その方は次のようなことをおっしゃっていました。

> 中小ソフトウェア会社は設立後20年経ったときが一番苦しいんですよ。
> 中小ソフトウェア会社というものは、社長や創業時のメンバーの力で
> すぐに売上2億、3億の規模になります。
> しかし、3.5億位で頭打ちになります。
>
> そして、気付いたら20年。
> しかし、後継者がいません。育ててこなかったのです。
>
> 社長や中核メンバーも歳をとって、技術の変化について行けなく
> なっています。


これは私が今回のゴーイング・コンサーンシリーズで言いたかった
ことの一つです。

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[ゴーイング・コンサーン] 突然死する会社
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第133号で「9割以上の会社が10年以内につぶれる」という話をしました。
(http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2006/06/post_6e2f.html
または http://www.kei-it.com/sailing/133-060626.html 参照)


10年以内につぶれる会社は、打ち上げ花火的な会社です。
地道に日銭を稼げないにもかかわらず、思いつき、自惚れ、思い込み
だけで立ち上げた会社はすぐにつぶれます。

運転資本の管理ができていないので、資金が回らなくなり、突然死
するのです。
それまでは「来年はヒルズだ!」と叫んでいた社長に、ある日突然
連絡が取れなってしまうパターンです。

関連記事:
第118号「アイデア系ベンチャーは打ち上げ花火」
( http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2006/03/post_8ea4.html
または http://www.kei-it.com/sailing/118-060313.html )

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[ゴーイング・コンサーン] 普通の中小ソフトウェア会社とは
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しかし、堅実な普通の中小ソフトウェア会社も20年たてば苦しくなります。

堅実な普通の中小ソフトウェア会社とは、どのような会社でしょうか?

営業面、技術面では、次のような会社です。

社長や中核メンバーがある程度技術力をもち、自ら客先常駐してでも
自分たちの食い扶持が稼げる会社。
あるいは、技術力と安定した顧客を持ち、社内持ち帰り開発ができる
会社です。

営業主体のソフトウェア会社なら、技術者と協力会社の管理と営業が
きちんとできる会社です。


経営面では、月単位、年単位の短期的な収支管理・資金管理ができる
会社、つまり、次のような会社です。

・儲かっているか儲かっていないか自分で分かっている会社
・運転資本の管理(売掛金と買掛金の管理)ができる会社

(関連記事:第24号「危ない会社、普通の会社」
  http://www.kei-it.com/sailing/24-040517.html )


周囲を見回しても、このように地味で真面目な会社は、大儲けも
できないかわりにつぶれることもありません。

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[ゴーイング・コンサーン] 徐々に疲れていく会社
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しかし、このような会社も設立後数年で売上が頭打ちになり、その後は
頑張っても規模は変わらず、そのうち社長も中核メンバーも歳をとって
きます。
冒頭のM会長の言葉どおりに・・・。

打ち上げ花火的なベンチャーが突然死するのに対して、長期間続いた
真面目な中小ソフトウェア会社は徐々に疲れて、老いていく感じです。

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[ゴーイング・コンサーン] 人は確実に変わる
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企業は継続することが大前提だとすると、長期的には主力商品の交代と
人の交代が発生します。

但し、主力商品が交代しない可能性は無くはありません。
第134号で見たように、メリーチョコレートは昭和25年創業以来、
56年間高級チョコレートなどのギフト菓子一筋です。
貝印の主力商品は、明治41年の創業以来、98年間カミソリです。

しかし、人の方は確実に変わります。
社長も取締役も社員も・・・。
同じ人物が社内で昇進・昇格・配置転換するのも一種の交代です。
契約社員から正社員になる、あるいはその逆も、交代の一種です。

会社の組織・制度、特に人事・給与制度とは、人をスムーズに交代
させるための制度だという観点で見ると、今まで見えなかった面が
見えてきます。

考察は次号に続きます。

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次回以降の予告
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次号以降では次のようなテーマを取りげていきます。

ゴーイング・コンサーンシリーズ:
・会社は継続しなくてもよいという考え方もある。
・メリーチョコレートを支えている人事制度。


技術系:
・グーグルの衝撃
  本を読むこと、ネットで読むこと
  ITバブルは詐欺だった
  ポスト産業資本主義化はIT革命によって引き起こされたのではない。

・メーカからの請負、エンドユーザからの請負
 (品質管理、検収、瑕疵担保責任の違い)
・オブジェクト指向再論
・PMBOK
・SEO対策

外国系:
・中国は脅威か?

財務系
・資産と費用

経営系:
・壊れ窓の理論

法務系:
・コンプライアンス
・執行役の裁量の範囲と取締役会の決定権

労務系:
・雇用契約、裁量労働制、個人事業主
・景気回復、新卒の採用難、2007年問題

営業系:
・売れる営業マン


次号は、7月17日発行予定です。

乞うご期待!!

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また、多くのソフトウェア会社・技術者が直面している問題を扱っているので、
ソフトウェア会社の経営者、管理者、技術者にとっても参考になると思い、
第33号(2004年7月19日号)からは「まぐまぐ!」で一般の方々にも公開する
ことにしました。
「まぐまぐ!」での読者数は2006年7月1日現在、513名です。


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