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August 08, 2005

ICと成果主義型正社員

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_/_/_/_/_/_/_/ ソフトウェア業界 新航海術 _/_/_/_/_/_/_/_/_/
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第87号 2005/08/08
▼ まえがき
▼ [永久運動の設計] 慶の事業部
▼ [永久運動の設計] ITサービス事業部
▼ [永久運動の設計] ICグループは吉本興業や大野事務所に学べ
▼ [永久運動の設計] ICグループの背後にあるもの
▼ [永久運動の設計] 成果主義型正社員グループ
▼ [永久運動の設計] 次回以降の予告(WEBシステム開発事業部・管理本部)


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まえがき
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こんにちは、蒲生嘉達(がもう よしさと)です。

「永久運動の設計」シリーズは、ソフトウェア会社の最適な組織
について探っていくシリーズです。

「永久運動の設計」シリーズを最初から読みたい方は、
http://www.kei-it.com/sailing/back_forever.html を参照してください。

先週号から成果主義型賃金制度について考察しています。


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[永久運動の設計] 慶の事業部
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「まぐまぐ!」の読者のために簡単に慶の事業部について解説します。

下記URLの図は、2003年3月発行「ソフトウェア業界 航海術」の
「あとがき」に載せた慶の事業概要と方向性です。
http://www.kei-it.com/sailing/plan.html
2年以上経った現在でも基本的な構造はこの図のとおりです。

慶は他の多くのソフトウェア会社と同様に、請負開発と技術者派遣
(業務請負)を事業の二本柱としています。
そして前者はWebシステム開発事業部が、後者はITサービス事業部が
担当しています。

また、スタッフ部門として管理本部が存在し、営業、事務、経理などを
担当しています。

ちなみに、図の右下に「付加価値の高い人材コンサル系サービス」と
注記された矢印がありますが、これは2004年に人材コンサルティング
事業部 http://www.k-bank.jp として実現されています。

今週号からは、慶のこのような体制を前提にして、技術者、営業、
事務それぞれについて最適な賃金制度について考えて行きます。

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[永久運動の設計] ITサービス事業部
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ほとんど全てのソフトウェア会社が業務請負を行っている中で、
慶のITサービス事業部は幾つかの特色を持っています。

その中の一つが、基本的に自社で雇用した契約社員または直接契約
した個人事業主を使って業務請負をしているという点です。
稼動している技術者数は約45名ですが、協力会社はほとんど使って
いませんし、正社員は現時点で1名のみです。


私は慶ITサービス事業部は今後は次の二つのグループに大きく
分かれていくと考えています。

(1)IC(インディペンデント・コントラクター)グループ
(2)成果主義型正社員グループ

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[永久運動の設計] ICグループは吉本興業や大野事務所に学べ
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IC(インディペンデント・コントラクター)という言葉については、
第83号「インディペンデント・コントラクター」
http://www.kei-it.com/sailing/83-050711.html を参照して
ください。

ここで、IC(直訳すると独立契約社員)という言葉を使ったのは、
個人事業主だけでなく、確定申告はしていなくても精神的には
個人事業主に近い契約社員も含めるという意味です。

ICグループの制度設計については、タレント事務所や法律事務所の
ような、個人主義的な組織から学ぶべきところが多いと思います。

吉本興業のようなタレント事務所は、タレントを発掘し、育て、
仕事を与えます。
タレントが一人前になった後は、営業とマネージメントを担当します。
(ちなみに、吉本興業の給料は完全歩合制で、タレントが売れっ子
になって、法外なギャラを稼げるようになっても、必ずその1割を
吉本側が天引きするそうです。)

あるいは法律事務所を考えてみましょう。
モーニングに連載されている「カバチタレ!」の行政書士 田村勝弘は
何故、大野事務所に所属しているのでしょうか?
彼は既に行政書士の資格も持っているので、一人で開業することも
可能です。
また、行政書士は事務所に所属していても、一旦案件を任せられたら
一人で動きます。

それでも田村勝弘が大野事務所に所属している理由は、新米行政書士
だと仕事が取れないし、修業も足りないからです。
営業、指導、そして最終責任を取ることが大野事務所の存在理由
なのです。

慶のICグループも、営業、指導、そして最終責任を取ることが、
存在理由となります。

もう一つ言うと、個人主義であるからこそ、理念が必要になってきます。
この理念の提供も慶のICグループの役割なのです。

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[永久運動の設計] ICグループの背後にあるもの
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ICグループの背景としては下記の2点があります。

・ICの増加(第83号 http://www.kei-it.com/sailing/83-050711.html 参照)
・「人材登録型の業務請負」への大手派遣会社の本格参入
 (第84号 http://www.kei-it.com/sailing/84-050718.html 参照)

大手派遣会社の上記サービスに対抗するために、ICに対して慶が提供する
サービスを差別化し、特色を明示していかなければなりません。

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[永久運動の設計] 成果主義型正社員グループ
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次に「成果主義型正社員グループ」について解説します。
このグループは現時点では存在していません。
今後、ITサービス事業部の中で「契約社員(準正社員)→成果主義型正社員」
というルートを作っていきたいのです。

何故ICグループだけではいけないのでしょうか?

確かにICという生き方は次のように非常に魅力的な面も持っています。

> 会社に属し給料をもらって働く「会社員」ではなく、企業と対等の
> 関係で契約を結び、独立した個人事業主として能力・スキルを提供し、
> 成果で応え、報酬を得る。
> 自分を常に仕事を選択する立場に置き、やりたい仕事をやりたい時にやる。
> そんな、組織に縛られずに、自分が培った人脈・経験・スキルを活かして
> 働く人を、私たちはプロワーカーと名付けました。
>                (引用したアントレ3月号より)

しかし、皆がそこまで自由と自己責任を求めるかというと、そうでは
ありません。

特に家庭を持った人は、収入の安定、生活給の保証を強く求めます。

個人としての収入の安定は、会社にとってもメリットがあります。
定着率が向上し、それが組織の安定と拡大、また質的向上にも
つながるからです。
また、組織の安定はチーム体制が作りやすくなるという効果も生みます。

このグループの賃金制度は、収入の安定と成果主義との適度なブレンドが
必要となります。

・極端な短期的変動は避けるが、中期的には個人売上に連動して変動
 していく。
・個人売上が極端に減っても生活給の保証はする、

などが賃金制度の設計の要件となります。

実は、2週間前この賃金制度の骨子がほぼ完成しました。

まずは、月間個人売上の変動が比較的少ないインフラ系技術者から
「契約社員(準正社員)→成果主義型正社員」というルートを確立して
いきます。

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[永久運動の設計] 次回以降の予告(WEBシステム開発事業部・管理本部)
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WEBシステム開発事業部は持ち帰り型請負開発を中心とする事業部です。
また、管理本部は営業・事務などのスタッフ部門です。

両方とも正社員の事業部で、しかも新卒採用が多いという特徴が
あります。

持ち帰り型請負開発の社員、及び、営業・管理などのスタッフは
単純には成果主義は適用できません。

次号以降で、この当たりの解説をします。


8月15日発行予定です。

乞うご期待!!

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本メルマガについて
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本メルマガは2003年12月8日に創刊されました。
創刊号 http://www.kei-it.com/sailing/01-031208.html で述べたとおり、
本メルマガのコンセプトは「読みものとしても面白い慶の事業計画」であり、
目的は「事業計画の背後にある基本的な考え方を語ること」です。

したがって、第一の読者としては、慶の社員(正社員・契約社員)及び
慶と契約している個人事業主を想定しています。
彼らには慶社内のメーリングリストで配信しています。

また、多くのソフトウェア会社・技術者が直面している問題を扱っているので、
ソフトウェア会社の経営者、管理者、技術者にとっても参考になると思い、
第33号(2004年7月19日号)からは「まぐまぐ!」で一般の方々にも公開する
ことにしました。
「まぐまぐ!」での読者数は2005年8月7日現在、414名です。


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 代表取締役 蒲生 嘉達
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