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April 2004

April 25, 2004

ソフト会社の真の資産

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_/_/_/_/_/_/_/ ソフトウェア業界 新航海術 _/_/_/_/_/_/_/_/_/
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第18号 2004/04/05
▼ まえがき
▼ ソフト会社の真の資産
▼ 部門、事業部、社内カンパニー、親会社・子会社
▼ 次回以降の予告

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まえがき
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蒲生嘉達です。お疲れ様です。

本メルマガは、慶の社員(正社員・契約社員)及び慶と契約している
個人事業主の方々に配信しています。

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[金持ちソフト会社、貧乏ソフト会社]
 ソフト会社の真の資産
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製造業において金持ち会社になるとは前号で説明したとおり
「図17-2:金持ち会社(製造業)」の循環を実現することです。
より具体的に言うと次のようになります。

○大量の資金を調達して大型の機械設備に投資する。
○その機械設備を最も効率的に運営することを目的に、
・会社の組織や制度を設計する。
 ・専門技術者や管理者を育成する。

但し、第7号と第8号で説明したとおり、資本主義のポスト産業資本
主義化によって、製造業においても機械設備よりも経営者の企画力や
技術者の開発力や従業員のノウハウの方が重要になってきています。

ソフトウェア業界では、もともと大量の資金も大型の機械設備も
必要ありませんでした。特に1990年以降は機械設備(PCやネットワーク)
が劇的に安くなりました。
ソフトウェア業界で利益を生み出すものは機械設備ではありません。
下記のような形の無いものです。
・経営者の企画力
・技術者の技術力・開発力
・管理部門のノウハウ
・顧客
・提携企業、協力会社
・その場にいなくても収入を生み出せるビジネスモデル
・著作権、特許権

上記は貸借対照表の資産欄には表現されません。
しかし、売上や利益として損益計算書に表現され、最終的には
貸借対照表の[資本]剰余金として表現されます。

「現金を生み出すものが資産である」と定義付けるなら、上記が
ソフト会社における真の資産です。

したがって、金持ちソフト会社、つまり資産が資産を生むソフト会社
になるためには
「貸借対照表の資産欄には出てこない真の資産に投資する→
利益が出る→貸借対照表の資産欄には出てこない真の資産に投資する」
の循環が必要なのです。

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[金持ちソフト会社、貧乏ソフト会社]
 部門、事業部、社内カンパニー、親会社・子会社
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損益計算書と貸借対照表を理解できると会社の営みがクリアに
見えてきます。
「部門」「事業部」「社内カンパニー」「親会社・子会社」に
ついて損益計算書と貸借対照表の面から説明します。

(1)部門
部門を損益計算書と貸借対照表で表すと「図18-1:部門」のように
なります。

①売上、売上原価(賃金、外注費など)、売掛金、買掛金は明確に
 部門ごとに分割できます。
②販管費(事務所代、管理部門人件費、役員報酬など)は部門単位に
 合理的根拠をもって按分しなければなりません。
③貸借対照表(借入れ、株式資本、剰余金)を按分することは
 販管費の按分以上に難しく、無理やり按分することは意味が
 ありません。
④損益計算書でも営業外収益(借入金の利子、預金の利息など)や
 税金は部門ごとに分割することはできません。
 
※「売上原価」「販管費」については第14号を参照してください。

通常のソフト会社では部門、プロジェクト単位に損益計算書を
作成しています。
但し、決算書の損益計算書とは下記の点が異なります。

・決算書の損益計算書は売掛・買掛の扱いがより厳密である。
(請求書の発行・授受までは売掛・買掛に入れない等)
・その分処理が遅くなる。

「事業部」「社内カンパニー」は「部門」と「親会社・子会社」の
中間形態であり、その実体は会社によってかなりの差があります。


(2)親会社・子会社
親会社と子会社になると損益計算書も貸借対照表も完全に2つに
分かれます。「図18-2:親会社・子会社」を参照してください。

そして通常は子会社の株式の大半を親会社が持ち、子会社の株式は
親会社にとっては資産となります。
返済義務のない資金を提供する見返りとして、親会社は株主としての
権利を持ちます。
図18-2では子会社の資産は1億円で資本金が1000万円となっています。
この場合、親会社は1000万円の資金(より正確にはその半分)で
1億円の資産を支配できることになります。
もしも子会社が優良会社であったら、親会社は株式の配当利益も
得ることができます。そのような優良子会社は親会社にとって現金を
生み出す真の資産と言えるでしょう。

しかし親会社にとって子会社は常に現金を生み出してくれる真の
資産となってくれるわけではありません。
現実には親会社のお荷物となっている子会社も多いでしょう。

それは借入れとその連帯保証の問題があるからです。
借入れの連帯保証の問題は非常に切実な問題であるにもかかわらず、
一般の会計の本には一切登場しません。その理由は下記の二つです。
・損益計算書にも貸借対照表にも連帯保証は表現されません。
・一般の会計の本は上場企業を想定して書かれていますが、連帯保証の
 問題は非上場企業特有の問題です。

ほとんどの中小企業は銀行からの借入れを必要とします。
そして、通常はその中小企業の代表者が借入れの連帯保証人に
なります。
(上場企業の場合は代表者が連帯保証人になることはありません。)
教科書では「株式会社の株主は有限責任である」と書いてあり
ますが、借入れの連帯保証人になるということは無限責任を負う
ということです。

通常、中小企業の代表者は株式においても支配的な地位にあるので、
借入れの連帯保証人になるのはやむを得ないことでしょう。
しかし、親会社が株式を握っている子会社で代表者が借入れの
連帯保証人となるということは、権限はないのに責任だけ負う
ことを意味します。
したがって通常は下記の二つの方法が採用されます。
(1)親会社(の代表者)が子会社の借入れの連帯保証人となる。
(2)親会社が何らかの方法で資金調達し、その資金で子会社が増資する。

いずれにしても親会社にとっては負担となります。

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次回以降の予告
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次号は、4月12日発行予定です。乞うご期待!!


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