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February 2004

February 26, 2004

ポスト産業資本主義の時代

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_/_/_/_/_/_/_/_/_/ ソフトウェア業界 新航海術 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
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第8号 2004/2/26
▼ まえがき
▼ 商業資本主義の時代
▼ 産業資本主義の時代
▼ ポスト産業資本主義の時代
▼ 次回以降の予告

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まえがき
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蒲生嘉達です。お疲れ様です。

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さて、下記は第7号からの引用です。

> 経済のグローバル化がコンピュータ業界の標準化を促し、
> コンピュータ業界の標準化がさらに経済のグローバル化を加速
> させているのです。

今週号では、このあたりのメカニズムを解説します。


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[5年後、システム開発の仕事はどのようになっているか?]
 商業資本主義の時代
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例えばA国は平地が多く気候が温暖で稲作に向いているので、
お米が沢山取れるとしましょう。
一方B国は山岳地域が多く稲作に向いていないかわりに、
鉱物資源に恵まれていて、例えば鉄が沢山取れるとしましょう。

貿易商人はA国にB国の鉄を持って行き、B国にA国の米を
持って行くことで利益を上げることができます。
これがいわゆる商業資本主義の時代です。


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[5年後、システム開発の仕事はどのようになっているか?]
 産業資本主義の時代
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ところが、あるときA国で産業革命が起きて、安くて良い
工業製品ができるようになりました。A国はB国だけでなく
様々な国に工業製品を輸出し、利益を上げることができるように
なりました。
B国はA国工業製品の輸出市場となったのです。
これがいわゆる産業資本主義の時代です。

ここで忘れていけないことは、A国内でも工業地域と農業地域の
二重構造が発生したということです。
A国の農業地域は国内市場であると同時に労働者の供給源でも
ありました。
農業地域が安くて豊富な労働力を供給してくれたために、
A国の資本家は高価な機械を導入しても利益を上げることが
できたのです。

たとえば、今まで労働者1人が1日1万円の商品を生産していた
としましょう。そして、1億円の機械を購入し、労働者1人が
1日10万円の商品を生産できるようになったとしましょう。
ここで労働者が「俺は1日10万円の商品を生産できるように
なったのだから、給料を10倍にしろ」と要求したら、
資本家は1億円の投資を回収することができません。
人件費が生産性の向上ほどには伸びないから、資本家は
多額の投資をしても、利益を上げ、それによって投資を回収し、
資本を増やし、再投資できるのです。

ところがA国内の工業化がもっと進むと、農業地域から
工業地域への労働力の流出もさらに進み、農業地域の人口が
減っていきます。
これは農業地域に過疎化の問題を発生させ、工業地域には、
労働力不足、人件費高騰、その結果として輸出の競争力低下の
問題を発生させます。
生産性の向上よりも人件費の上昇が上回れば、利益は減り、
投資は回収できず、再投資もできなくなります。

しかし、これだけではまだ他国に工場を移転しようという
発想は起きません。
輸送コストを考慮すると、工場を他国に移転するよりは
国内で生産する方がまだ安いからです。
また、通信手段が電話、FAX、郵便だけでは遠隔地の工場を
管理できません。


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[5年後、システム開発の仕事はどのようになっているか?]
 ポスト産業資本主義の時代
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1990年前後に輸送技術、通信技術の進歩によって、
輸送コストと通信コストが劇的に低下しました。
高速ネットワークによって瞬時に大量の情報のやりとりが
できるようになり、他国に工場があっても管理ができるよう
になりました。

そこで、A国の資本家は人件費などの生産コストの低い
開発途上国に工場を移転するようになったのです。
ところが同じことを皆がやるとその国でもすぐに人件費の
高騰が起きてしまうので、さらにもっと安い国へ移転しする
ようになります。
一旦この動きが始まると、韓国・台湾→マレーシア・タイ→
インドネシア→中国 というように、わずかの差異性を求めて、
資本が世界中を短期間の間に目まぐるしく動き回るように
なりました。
これが経済のグローバル化であり、この段階の資本主義は
ポスト産業資本主義と呼ばれます。

経済のグローバル化がIT産業に対する巨額の投資を生み出し、
それがIT技術をさらに進歩させると同時に、IT技術の進歩が
さらに経済のグローバル化を促進するという循環が生まれました。

経済のグローバル化はあらゆる業種において、地域的な
差異性を消し去り、標準化を進めます。
標準化ということは同じ土俵で戦うということです。
同じ土俵で差異性を確保するため、企業は、激烈な
低価格化競争、短納期化競争に突入しました。

したがって、この激烈な低価格化競争、短納期化競争に
負けないよう徹底したコストダウンしていくという方向は
必然の流れです。
あるいは、低価格化競争、短納期化競争に巻き込まれない
ためには、低価格、短納期以外の差異性を作り出して
いかなければなりません。標準化によって差異性が消されて
いく中にありながらも・・・。


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次回以降の予告
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 2/2 5年後のシステム開発
 2/9 では、どうすればよいか?
 2/16 シリーズのあとがきと次シリーズの予告

次号は、2月2日発行予定です。乞うご期待!!


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発行:
株式会社 慶
 代表取締役 蒲生 嘉達
y_gamou@kei-ha.co.jp http://www.kei-ha.co.jp
TEL:03-5951-8490 携帯:090-1258-6347

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