ブロッコリーの抽苔
抽苔(ちゅうだい)とは、花茎(かけい:花をつけた茎)が伸びだすことです。
とう立ち、あるいは、花芽分化(はなめぶんか、かがぶんか)とも言います。
抽苔についての理解は、農業では重要なので、過去に何度も取り上げてきました。
【抽苔についての過去記事の例】
一般に葉物野菜が抽苔すれば、花茎の方に栄養がまわるので、葉の成長は止まります。
玉ねぎの玉は葉鞘です。とう立ちすると、葉鞘が上に伸びるので、玉の中は左の写真のように空洞になります。
(関連記事:タマネギの玉は葉鞘が肥大したものであることが直感的にわかる写真)
したがって、葉物野菜の栽培では、「いかにして抽苔させないか」が課題になります。
しかし、ブロッコリーは花蕾を食べる野菜です。したがって、うまく抽苔させることが重要です。
ちなみに、果樹栽培では、抽苔した結果としての果実がゴールなので、丁度良いバランスとタイミングで抽苔させることが重要になります。
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抽苔のトリガーとなるのは、気温(低温、高温)と日長(短日、長日)で、野菜によって様々なバリエーションがあります。
ブロッコリーの場合、低温は必要ですが、長日は必要としません。
ある程度成長してから低温に合えば、春を待たずに抽苔します。
左の写真は2021年12月31日に撮られたものです。
春を待たずに花咲いています。
したがって、ブロッコリーの一般的な作型は次のようになります。
- 7月に種をまき、高温期に十分に成長させる。
- 冷涼となる10月~11月に花蕾を収穫する。
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