野菜(アブラナ科)

2022年1月 7日 (金)

ブロッコリーの抽苔

抽苔(ちゅうだい)とは、花茎(かけい:花をつけた茎)が伸びだすことです。
 
とう立ち、あるいは、花芽分化(はなめぶんか、かがぶんか)とも言います。
 
 
抽苔についての理解は、農業では重要なので、過去に何度も取り上げてきました。
 
抽苔についての過去記事の例

 

Toutachi 一般に葉物野菜が抽苔すれば、花茎の方に栄養がまわるので、葉の成長は止まります。
 
玉ねぎの玉は葉鞘です。とう立ちすると、葉鞘が上に伸びるので、玉の中は左の写真のように空洞になります。
 
(関連記事:タマネギの玉は葉鞘が肥大したものであることが直感的にわかる写真
 
したがって、葉物野菜の栽培では、「いかにして抽苔させないか」が課題になります。
 
しかし、ブロッコリーは花蕾を食べる野菜です。したがって、うまく抽苔させることが重要です。
 
ちなみに、果樹栽培では、抽苔した結果としての果実がゴールなので、丁度良いバランスとタイミングで抽苔させることが重要になります。
 
(関連記事:梅や桜は貯蔵養分で花を咲かせる

 

抽苔のトリガーとなるのは、気温(低温、高温)と日長(短日、長日)で、野菜によって様々なバリエーションがあります。
 
ブロッコリーの場合、低温は必要ですが、長日は必要としません。
 
Baro ある程度成長してから低温に合えば、春を待たずに抽苔します。
 
左の写真は2021年12月31日に撮られたものです。
 
春を待たずに花咲いています。
  
したがって、ブロッコリーの一般的な作型は次のようになります。

  • 7月に種をまき、高温期に十分に成長させる。
  • 冷涼となる10月~11月に花蕾を収穫する。

Buro 収穫後のブロッコリー

 

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2021年3月18日 (木)

ハクサイの花芽分化と抽苔(とう立ち)

Hakusai_20210318170102 八百屋で半分に切った白菜を購入しました。
 
Haname600 写真は外側の葉を食べた後なので、貧弱になっていますが、元は立派なハクサイでした。
 
よく見ると、中央の芯が花芽分化しています。

ハクサイの作型は早生なら、7月末~8月上旬播種、10月下旬~11月収穫、晩生なら8月上旬播種、12月~2月中旬収穫です。

その間、低温にあうと花芽分化します。

極初期、種子のころから感応するので、「種子春化型(シードプラントバーナリゼーション)と呼ばれます。

花芽分化すると新葉の分化が停止し、それ以上葉数が増えないので、生育の極初期から低温にあわせない栽培が要求されます。

Hakusai_202103181701013番目の写真は、畑で抽苔(とう立ち)したハクサイです。
 
球内で分化していた花芽が、高温と長日で成長が促進され、抽苔します

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2020年12月 7日 (月)

白菜とツナの甘煮

最近、野菜が安くなっています。
 
天候に恵まれ、生育が順調だったことに加え、新型コロナウイルスの感染拡大により外食需要が低迷していることが背景にあるそうです。
 
近くのスーパーでは白菜1/4カットが78円(税別)で売られていました。
 
白菜を大量に消費できて、超簡単なレシピを紹介します。
 

参考レシピ:白菜消費!レンジで白菜とツナの旨煮♪

Hakusai_20201207172201

【材料】

  • 白菜:小なら1個、中なら1/2個、大なら1/4
  • ツナ缶:1缶
  • 醤油:大1

Haku 【作り方】

  1. 大きめのタッパーやボウルに適当に切った白菜を入れる。
  2. ラップをかけて、レンジで500Wで5分加熱する。
  3. 一度取り出し、ツナ缶を油ごとにその上に乗せる。
  4.  ラップをかけて、さらにレンジで500Wで5分加熱する。
  5. 取り出したら混ぜて、醤油を加える。

Hakutsuna

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2020年1月29日 (水)

ターサイとロゼット

Tasai 写真(2020年1月17日撮影)はターサイという中国野菜です。

Taasai ターサイは暖かい時期に栽培すると小松菜のような形状になります。葉が高く伸びます。

しかし、冬場に栽培すると、写真のように、たくさんの葉が横に広がり地面に張り付いたような形となります。

この形をロゼットと呼びます。

ロゼットは植物の冬越しのスタイルとして理にかなっています。

ロゼットの茎はごくごく短く、ほとんどないように見える。

その短い茎に葉を密につけて、地面にぴったりとつけているのである。

外気に当たる面積は葉の表面のみ。葉の裏側は暖かな地面で守られている。

そして、葉は無駄に重ならないように放射線状に広げ、最大限の効率で光を受けるのである。

(稲垣栄洋著「植物の不思議な生き方」より)

ターサイだけでなく、タンポポ、オオバコ等多くの植物が冬場はロゼットを作っています。

Tanpopoタンポポのロゼット

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2020年1月16日 (木)

カリフラワーの葉も食べられます

Kari ブロッコリー同様、カリフラワーの葉も食べられます。(参考レシピ:ブロッコリーの葉って何気に美味しい。)

【材料】カリフラワーの葉:数枚

Kari_kuki_ha500 【作り方】

  1. 葉脈の太いところだけ切り分け、1cm位に切ります。
  2. 葉は適当な大きさに切ります。
  3. フライパンにオリーブオイルをひいて、葉脈の太いところを先に炒めます。
  4.  次に葉を入れて炒めます。
  5. 最後に塩コショウを振ってできあがり。

Karif

今回はシンプルに葉のみ炒めましたが、挽肉と炒めても美味しいです。(参考レシピ:ブロッコリーの葉・挽肉いため)

 

 

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2019年12月29日 (日)

ロマネスコとフラクタル

Roma ロマネスコという野菜はカリフラワーの一種で、八百屋でもたまに見かけます。

Romanesco カリフラワーもロマネスコも食べる部分は花蕾です。

カリフラワーの花蕾はぎっしり詰まっていますが、ロマネスコの花蕾は幾何学的な美しい形をしています。

個々の小さな花蕾は「極小の円錐形」です。これが最小単位です。(左の写真で粒のように見えるもの)
 
それが規則正しい螺旋を描いて「小さな円錐形」となっています。(左の写真で小さな山のように見えるもの)

この小さな円錐形がさらに螺旋を描いて「少し大きな円錐形」(左の写真のほぼ全体)となっています。

Romane ←裏から見ると・・・。

Romanes ←そして、この「少し大きな円錐形」で切り分けると・・・。

そして、「少し大きな円錐形」がさらに螺旋を描いて全体(1枚目の写真)を形成しています。

このように部分と全体が自己相似(再帰)になっている形を「フラクタル」と言います。

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2019年11月27日 (水)

黒いブツブツのある白菜 この差って何ですか)(201/.11.19)

黒いブツブツのある白菜

栄養を取りすぎる→細胞が成長しすぎる→細胞膜が壊れる→中のポリフェノールが空気に触れる→酸化して黒いブツブツとなる。

畑はトラクターで耕している

→端の部分は機械が入りづらい

→畑の隅は土が硬くなっている。

硬い土は普通の土より水はけが悪い

→肥料が長い間、白菜の近くにとどまる。

→畑の端の白菜は栄養を取りすぎる。

 

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2019年11月 4日 (月)

コールラビをぬか漬けにしました

Koru_20191104122801 畑で収穫したコールラビをぬか漬けにしました。(参考レシピ:ぬか漬け コールラビ

コールラビは地面のすぐ上の茎が丸く膨れ、その部分を食べます。
丸く膨れた部分も茎なので、そこからも葉が出ます。
ブロッコリー、キャベツ、カブ、ダイコンと同じくアブラナ科です。

Korurabi 【材料】

  • ぬか床
  • コールラビ

 
Korur 【作り方】

  1. コールラビの皮は厚くむき、1/4に切る。
  2. ぬか床に1~2日漬ける。
  3. 漬かったら薄切りにして皿にもる。

Koru 【豆知識】
ダイコンの可食部は茎と根(白い部分の上部は茎で、中部と下部は根)で、カブの可食部(白い部分)は茎です。
コールラビの可食部も茎で、味はカブに似ています。

(参考記事:大根の上部は茎

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2019年10月26日 (土)

カーボロネロ挽肉炒め

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カーボロネロは結球しない葉キャベツの一種で、黒キャベツとも呼ばれています。

Nero_20191026165901
やや太めの茎が伸びて、次々に葉を伸ばします。

その葉を適当に摘み取り、食します。

以前、調理情報に「ブロッコリーの葉・挽肉いため」を掲載しました。

カーボロネロの葉も挽肉いためがおすすめです。

尚、ブロッコリーもカーボロネロもアブラナ科です。

【材料】

  • カーボロネロの葉:8枚くらい
  • 豚ひき肉:150gくらい
  • 塩コショウ:適量
  • 醤油:適量
  • ごま油:適量

Hikiniku

【作り方】

  1. カーボロネロの葉を食べやすい大きさに切る。(主脈の太い部分は硬めなので、分離して1cm位に切る。他の部分は適当に乱切り。)
  2. フライパンに挽肉を入れて炒める。油は不要。
  3. 挽肉が茶色になってきたら、主脈の太い部分を入れ炒める。
  4. 葉を入れ、炒める。
  5. 塩コショウを振る。
  6. 醤油とごま油をかける。

Ha

Nero

 

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2019年5月 7日 (火)

キャベツの結球のしかた(肥大型と充実型)(その2)

2月26日にUPした「キャベツの結球のしかた(肥大型と充実型)」の追加です。

キャベツは産地のリレー方式によって一年中市場に供給されています。

【冬キャベツ】

播種時期:夏(7月~8月)

東京・大阪の市場に出る時期:冬(11月~翌年4月)

主な産地:愛知県

 

【春キャベツ】

播種時期:秋(9月~10月)

東京・大阪の市場に出る時期:春(翌年4月~6月)

主な産地:千葉県・神奈川県

 

【夏秋キャベツ】

播種時期:春(3月)

東京・大阪の市場に出る時期:夏秋(7月~10月)

主な産地:群馬県

 

Kyabe_cut 結球の仕方は、冬キャベツは充実型、春キャベツは肥大型です。
夏秋キャベツについては明記されている文献がないので、産地や播種時期によって異なるのだと思います。
「充実型」は、まず外側の葉が抱合して緩い葉玉を作り、その後、内側の葉が成長して詰まっていきます。
一枚目の写真は1月24日に購入した冬キャベツの断面です。

Haru 「肥大型」は、まずすべての結球葉が抱合して小さな葉玉を作り、その後一枚一町が肥大していきます。

 二枚目の写真は4月24日に購入した春キャベツの断面です。


(参考文献:日本農業検定1級テキスト)

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