成長点
農業ではよく「成長点」という言葉が使われます。
例えば、過去記事「なぜイネ科植物は強いのか」では、「成長点」を使って次のような説明をしました。
- (イネ科植物は)体の成長点を地面すれすれに置いた。
- 成長点が体の先端ではなく根本にあることで、葉が食べられても成長が止まることはない。
また、草刈りには次の二つの方法があります。
- 地際刈り:地面スレスレのところで刈る。
- 高刈り:地面から10㎝くらいのところで刈る。
高刈りのメリットは次のとおりです。
- 地際で刈れば、広葉雑草(タンポポやクローバーなど)の成長点は刈られるが、イネ科の雑草の成長点は残る。
- そのため、地際刈りの後はイネ科の雑草のみが繁栄する。
- 高刈りなら、広葉雑草の成長点が残るので、広葉雑草の成長し、イネ科の雑草の成長を抑制する。
高刈りについてはネット記事「高刈りとは」が分かりやすいです。
この「成長点」について分かりやすい説明がYouTubeにありました。
「0からはじめる化学・生物学【植物生理学への道シリーズ③】植物の組織構成と水」です。
この動画では次のような解説をしていました。
植物には次の二つの組織がある。
- 分裂組織:成長中の細胞分裂している組織
- 分化組織:成長を止めて、細胞分裂が終わった組織
そして、分裂組織は次の二つのみである。
- 茎頂分裂組織:茎の先端(脇芽も含む)
- 根端分裂組織:根の先端
動物は体中のどの部分の細胞も分裂しているが、植物は先端部分しか細胞分裂しない。
茎頂分裂組織には、葉になる細胞、茎になる細胞、花になる細胞が含まれている。例えば、ナスの脇芽が見えてきた時点で、既に4、5枚分葉と花が分裂している。
茎頂分裂組織が、成長点である。
私はこの説明を聞いて、腑に落ちました。
左の写真は草刈り後の健康ブルーベリー農園です。高刈りをしています。
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