太陽熱土壌消毒
土中の有害な微生物、雑草の種子を殺すために、従来より農薬(バスアミド微粒剤など)による土壌消毒が行われてきました。
しかし、農薬による土壌消毒だと、有用な微生物も殺してしまいます。
そのため、太陽熱土壌消毒が考案され、広まっています。
参考資料:酷暑を逆手に!農研機構に聞く「太陽熱土壌消毒」の効果的な利用方法とは
私も太陽熱土壌消毒を行っています。
太陽熱土壌消毒のやり方は次のとおりです。
- 時期は日光が強い7月上旬から9月上旬までの間。
- 堆肥、肥料を投入した後、畝たてをする。
- 畝にたっぷり水をかける。→高温の水蒸気が土中を広く深く浸透するから。
- 透明ビニールマルチで畝を覆う。(1枚目の写真)
- 2週間~3週間放置する。→土中が高温となり、微生物、雑草の種子が死ぬ。
- 透明ビニールマルチをはがし、耕耘せずに(←ここが重要)、種まきまたは苗の定植をする。
左は、太陽熱土壌消毒した畝にラッキョウ(少し芽が出ているもの)を植えてから2週間後に撮った写真です。
普通に畝たてをしたら、1週間で雑草の芽が出てきますが、この写真には全く雑草が見られません。
但し、太陽熱土壌消毒は地表から10cm~20cm程度にしか効きません。
左の写真の左上に輝いて立ち上がっている雑草が見えます。
これはヤブガラシです。
ヤブガラシは地中奥深くに地下茎を張り巡らすので、太陽熱土壌消毒では死にません。
参考過去記事:ヤブガラシの逞しい地下茎
太陽熱土壌消毒のやり方 6 で耕耘しなかったのは、耕耘すると地中奥深くで生きている種が地表に出てきてしまうからです。
逆に、農薬による土壌消毒は土中の全ての生物を殺すのに対して、深い層の生物は生かすところが太陽熱土壌消毒の良さでもあります。
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