隔年結果
「梅や桜は貯蔵養分で花を咲かせる」で次のような話をしました。
野菜なら、まず根、茎、葉が成長し(これを「栄養成長」と呼びます)、その後に花が咲き、果実を実らせたり、種子を作ったり(これを「生殖成長」と呼びます)します。生殖成長に要する養分は栄養器官(根、茎、葉)で作られます。
しかし、梅や桜は、葉が出る前に花が咲きます。梅や桜などは枝や根(特に新しい枝や根)に養分を蓄えていて、それを使って花を咲かせます。
梅は2月に花を咲かせ、6月には果実が直径3cm程に成長します。これは生殖成長です。
そして、梅は同時期に大量の葉を茂らせます。これは栄養成長です。
つまり、梅などの果樹では、栄養成長と生殖成長が同時進行するのです。
その結果、「枝葉と果実の競合」という問題が発生します。
両方の成長が同時に進行する果樹では、せっかく光合成によってつくられた養分を枝葉と果実で競合してしまう可能性がある。
たとえば、果実をつけすぎると、枝葉や根への養分供給量が少なくなり、果樹によっては翌年の収量がいちじるしく落ちてしまう(隔年結果)。
(「日本農業検定1級テキスト」より)
豊作年を表年(おもてどし)、不作年を裏年(うらどし)とも言います。
去年は坂戸の畑にある梅の木に大量の実がなりましたが、今年は少ししかなっていません。おそらく四分の一程度だと思います。
このページの写真は今年6月1日に撮影した梅の木と実です。
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