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2009年8月

2009年8月30日 (日)

アルカディア計画実践農場さんを訪問

8月18日(火)にアルカディア計画実践農場さんを訪問しました。

東京駅10:00発の高速バスに乗り、11:50に大多喜停留所で下車しました。
大多喜停留所まで農場のオーナーの梶原さんが車で迎えに来てくれました。
その車で、梶原さんが耕している田んぼや畑を案内してくれました。
(借りている田んぼと田んぼの間がかなり離れているので。)

(1)減農薬、有機肥料の田んぼ

1_3 2_3

左の写真は減農薬、有機肥料の田んぼです。
植物防疫協会の農薬空中散布のみ行っています。
梶原さんとしては、本当は農薬は使いたくなかったのですが、他の田んぼの真ん中にあるため、断り切れなかったそうです。

(2)農薬不使用、有機肥料の田んぼ

3_3 4_3 左の写真は農薬不使用、有機肥料の田んぼです。
他の田んぼの端にあるので、植物防疫協会の農薬空中散布を断ることができたそうです。それゆえ、農薬を使っていません。

アルカディア計画実践農園では、様々な品種の稲を育てています。
コシヒカリ(中稲)、フサコガネ(中稲)、フサオトメ(早稲)、アキタコマチ(早稲)、ハツホシ(早稲)、もち米です。
「ここでは○○を作っています」と田んぼごとに教えてくださいましたが、覚えきれませんでした。

(3)体験農業の田んぼ

5_3 左の写真の田んぼは大学の学生が体験農業をしている田んぼです。
(その体験農業はアルカディア計画実践農場さんが主催しています。)

農薬不使用、有機肥料です。
学生さんも忙しいようで、草取りをしていません。
農薬を使っていないために雑草が猛威を振るっていること、そして、雑草に養分を奪われて米の成長が妨げられていることが分かります。
きちんと手入れされた梶原さんの田んぼと比較してください。

(4)「愛むすめ」の田んぼ

6_2 さて、左は話題の「愛むすめ(一本植え)」の田んぼの写真です。
一本植えは究極の「疎稙」です。
疎稙とは「密集させず離して植える」という意味です。
疎稙にすれば、病気も減り(それゆえ農薬不使用が可能となり)、1本あたりが広く根をはるので化成肥料を使う必要もなくなります。

「愛むすめ」の田んぼ以外も、アルカディア計画実践農場さんの田んぼは基本的に疎稙です。
密集させている他の農家の田んぼの写真を撮らなかったので、みなさんは比較できませんが・・・。

「愛むすめ」は1本1本が縦よりも横方向に成長する感じです。
一本植えだと、1本単位の収量も増えます。
写真を見れば、稲と稲との間が広いこと、たくましく成長していることが分かります。

しかし、一本植えだと田んぼ全体の収量は減りますし、一本植えできる機械がないので、普通の農家は一本植えはやりません。おそらく、全国的に見ても、一本植えをしている農家はアルカディア計画実践農場さんだけでしょう。

「愛むすめ」も農薬不使用、有機肥料です。
米ぬか除草をしています。
しかし、米ぬか除草はタイミングが非常に難しく、今年はうまくいかなかったため、「地獄の草取り」になったそうです。

(5)ドブタって一体?

7_2左の写真は、梶原さんが3年前に米作りを始めたときに、最初に借りた田んぼです。
やはり、農薬不使用、有機肥料です。
この田んぼは山から泥が流れ込む位置にあり、しかも、水はけが悪いので、極端にぬかるんでいます。
いわゆる超湿田と呼ばれる田んぼで、近隣の農家からは「どぶ田」と呼ばれる事も・・・。
トラクターがぬかるみにはまって、よく出られなくなるそうです。
維持に手のかかる、このような田んぼから休耕田になってしまうのだそうです。

しかし、よい場所にある田んぼは水利設備が共同で管理されているので、いつ田んぼに水を入れるのか自由に決めることができないという不自由さもあります。

その点、この「どぶ田」の水は梶原さんが自由に決められます。
なお、「愛むすめ」の田んぼも、水については梶原さんが自由に決められます。

(6)はざかけ支柱、野菜

8_2 左の写真は、去年の「はざかけ」で使用した支柱です。

アルカディア計画実践農場さんでは、他に、オクラ、カボチャ、ヘチマ、ナス、モロヘイア、落花生、エダマメなど様々な野菜も栽培しています。

9_2 左の写真はオクラの写真です。
普通の5角形のオクラではなく、丸オクラです。角がありません。
沖縄で栽培されているオクラだそうです。

(7)農業体験とお土産

一通り田んぼと畑を案内していただいた後で、農業体験もさせていただきました。
昨日から「超湿田」に排水路を作っているとのことだったので、その手伝いをさせていただきました。

裸足になりこの湿田入ったらズブズブと膝までつかります。
歩くだけでも大変です。
「稲が植わっているところはこんなことはないんでしょう?」と質問したところ、「同じようなもんですよ」という答え。

これで草取りをするとは驚きです。
「就農」ということが生易しいことでないことを体で理解しました。

畑のオクラ、ミョウガの甘酢漬けをお土産にいただいて帰りました。
ありがとうございました。

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(最後の写真はアルカディア計画実践農場さんの社屋です。)

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2009年8月15日 (土)

米農家の売り上げ・利益

(1)1反当たりの売り上げ・利益

「新規就農ガイドブック」によれば、1反当たりの売り上げは14.2万円です。

http://www.pref.okayama.jp/soshiki/detail.html?lif_id=10456

経営費を引いた所得は5.3万円です。
年間所得です。

8反の水田を耕している知人に聞いても、「だいたいそんなもんだ」
ということでした。

5.3万円×8反=42.4万円

(2)1時間当たりの所得

それにしても、1反の田んぼを1年耕して売り上げが14.2万円、
所得が5.3万円とは・・・。

ナスなら10アールの畑で売上が312万円、所得が273万円、
トマトなら10アールの畑で売上が173万円、所得が113万円です。

これだけ見ると、「米農家がかわいそう、耕作放棄が広がるのも
やむを得ない」と思ってしまうのですが、問題はもう少し複雑です。

P.16「代表的な作物における経営指導指標一覧」の真ん中あたりを
見てください。

水稲の1時間当たりの所得は「2,737円」です。
ナスは988円、トマトは1,437円。

1時間当たりの所得は、米作りが一番高いのです。

(3)米作りの労働時間

何故このようになるかというと、米作りは労働時間が少ないからです。

10アールあたりの水稲の労働時間は年間19.5時間です。

一方、ナスは2,769時間、トマトは787時間です。

年間19.5時間程度の労働時間なら、会社に勤めながらでも十分可能です。
それで、家族が1年食べられる米が獲れて、
さらに余った米を親戚・知人に贈ったり、米屋に卸していくらかの
現金収入が得られるなら、兼業米農家も悪い商売ではないはずです。

> 米作主業農家の年間所得は664万円なのに、兼業農家の所得は792万円で、
> サラリーマンの所得を大きく上回っている。
>       (山下一仁著「農協の大罪」より)

(4)無農薬・有機栽培で米作りをしようとすると

しかし、話はこれで終わりません。

米作りの労働時間が「10アールあたり年間19.5時間」で済むのは、
あくまでも、農薬と化成肥料を使うことが前提です。

無農薬・有機栽培で米作りをしようとすると、これとは比べものに
ならない労働量となるのです。

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1反で採れる米の量

10a(約1反)の水田で取れる米「530kg」という量はどのような量なのでしょうか?

> 昭和37年度には、一人当たり1年に約118kg食べていましたが、
> 平成16年度は約62kgに大きく落ちこんでいます。
>        (「農林水産省ガイドBOOK」より)
> http://www.maff.go.jp/soshiki/kambou/kouhou/guidebook/guidsepa-12.htm

10aの水田を持っている零細兼業農家が4人家族だとしたら、家族全員の1年間の米消費量は248kgであり、親戚や知人におすそ分けする程度は残ることになります。

しかし、売るとしたら、5kg3,000円(実際は卸値はその半分?)としても、売上が318,000円。原価を引いたらほとんど粗利は出ないでしょう。

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