仮想化についての基礎知識
第226号「仮想化」の補足です。
仮想化について一般に説明されていることをまとめました。
(1)概要
【定義】
広義ではサーバーやネットワーク、ストレージなどのハードウェア資源の構成をソフトウェア上に再現する技術の総称。
狭義では1台の物理サーバを複数のサーバに見せかける技術のことを指す。(複数の物理サーバーを1台の物理サーバーに集約することを「サーバー統合」という。)【メリット】
①利用効率の最適化
一般に複数台のサーバーを利用するより1台のサーバー上で複数の仮想マシンを利用したほうがCPUやメモリーの利用効率が上がる。②管理性の向上
- 仮想ソフト上では複数の仮想マシンを一元的に管理できるため、管理の手間を減らせる。
- OSやアプリケーションの設定などを済ませた仮想マシンのイメージを簡単に復元できる。
(日経コンピュータ2009年12月23日号別冊IT Keywords2010」より)
(2)利用の広がり1:基幹システム、ストレージやネットワークへ
仮想化技術は、従来は、ファイルサーバーなど“軽い”サーバーの集約率を高めるために使用されてきたが、現在次の二つの方向に利用範囲が広がっている。
- 基幹システム
- サーバーからストレージやネットワーク
(ディスク容量の仮想化機能を「シン・プロビジョニング」と呼ぶ。(日経コンピュータ2010年1月20日号「50のキーワードで読む 2010年のシナリオ」より)
(3)利用の広がり2:仮想デスクトップ、アプリケーション仮想化
仮想化技術の利用範囲は、さらに、クライアントPCへと広がりつつある。その方式には次の二つがある。
【仮想デスクトップ】
仮想化ソフトを使ってサーバー上に複数の仮想マシンを稼働させたうえで、それをユーザに割り当て、そのユーザが自分のデスクトップPCとして使用する形態。
【アプリケーション仮想化】
アプリケーションのみを仮想化する。これにはさらに二つの方式がある。
・画面転送型
サーバー上で稼働させたマルチユーザ型アプリケーションを複数のユーザで共用する方式。サーバーでの処理結果のみをクライアントに転送する。・ストリーミング型
アプリケーションを細切れにしてクライアントに送る方式。
クライアント側で処理される。
Office2010はストリーミング型で展開されることを意識して開発されている。(日経コンピュータ2010年2月3日号「パソコン誕生」より)
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