第216号

ITは英語と他言語との格差を拡大し固定する

「6D-ビジョン」と反対の流れ

第216号「ITは英語と他言語との格差を拡大し固定する」の補足です。

「なぜITは社会を変えないのか」(ジョン・シーリー ブラウン、ポール ドゥグッド著)  で、世の中が「6D-ビジョン」と反対の方向に動いていると指摘している部分。
「6D-ビジョン」とは次のとおり。

 非マス化 (demassfication)
 非集中化 (decentralization)
 非国有化 (denationalization)
 非専門化 (despecialization)
 非仲介化 (disintermediation)
 非集約化 (disaggregation)

非マス化

情報技術が大規模ネットワークの活用に非常に向いているために、ある特定の状況下での情報経済は集約化しマス化した企業に適しているというのが現実なのだ。

資金はないが強力なアイデアを持つ小規模で身軽な企業が前途洋々した新興企業になれる、というような伝説はもはや成り立たないのだ。

インターネットを通して開拓された新たな「ニッチ」市場の話が世にあふれている。
ただし、その実例が見られるのはニッチな企業ではなく、巧みに構築されたネットワークを持つ大企業の方だ。

特注品の戦略は、大きな市場とそして高度に標準化された製品を扱っている大きな企業を前提にしているのだ。

非仲介化

中抜きが生じているとしても、そこでは必ずしも仲介者を排除するわけではない。少数の大規模な企業に仲介者が集約される、というだけのことだ。
・・・(中略)・・・
たいていは単に集約してその数を減らしそれぞれの扱い規模を拡大するだけのことだ。

情報技術が権限の集中化を招く
コミュニケーションの速度が上がるにつれ、意思決定の集中化が可能になった。

非集中化

情報技術が権限の集中化を招く。

コミュニケーションの速度が上がるにつれ、意思決定の集中化が可能になった。

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図書館を図書館たらしめているもの

第216号「ITは英語と他言語との格差を拡大し固定する」の補足です。

「なぜITは社会を変えないのか」(ジョン・シーリー ブラウン、ポール ドゥグッド著)で大図書館計画について書かれている部分です。

デジタル時代の初期には、「あらゆる知識」を一か所に集めるという考え方が復活した(われわれは「復活」という言葉を使う。なぜなら、この考え方は少なくとも図書館の歴史並みに古い、おそらくは文書の歴史と同じほど古いからだ)。しかいこうした考えが現実と直接的にぶつかるようになるにつれて次第にはっきりしてきたのは、図書館は「収集庫」というよりはむしろ役に立つものを選択して集積しているところだということだ。図書館の保有すべきもの以外は積極的に排除することで、それ自身の利用価値を高めている。同時に特定の利用者グループとその要求を反映しているところでもある。こうしたことから、ひとつのテクノロジーあるいはひとつの解決策がすべてに通用すると考えるのは非常に難しい。

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