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作っても、作っても利益が出ない

第236号「農業とIT」の補足です。

第236号で、ヤル気のある専業農家が置かれている状況について、次のように述べました。

  • 耕作放棄地はあるので、需要さえあれば、規模の拡大は可能
  • しかし、既存の販路では、「作っても、作っても利益が出ない」

これについての証言を二つ引用します。

同じ作物を作る他産地の農家と競合し、産地間競争による値下げ合戦の消耗戦を生んだ。そこにつけ込まれて、寡占化する流通・小売に価格決定権を奪われ、どこの産地も農家の手取りが減る一方である。(浅川芳裕「日本は世界5位の農業大国」)

これまでの農家は、作物を生産してJAなどに持っていけば、売上が確保されていました。しかし、作物の値段が下がってしまうと、作っても、作っても利益が出ないということになります。この状況から脱却するためには、自ら販路を開拓していくしかありません。そのためには他の農家と違う品種を育てたり、加工を施したり、差別化を図らなくてはならないのです。(松本一浩著「農はショーバイ!」)

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