「凄い時代 勝負は2011年」の「序章 本書の主張」の要約
第224号「凄い時代・脳に悪い7つの習慣」の補足です。
堺屋太一著「凄い時代 勝負は2011年」の「序章 本書の主張」の要約です。
1.世界不況なお止まず-勝負の年は2011年
2009年6月の状況は、全世界の膨大な財政支出で支えられた「集中治療室」での小康に過ぎない。
これほどの財政赤字に、世界の国々は長く耐えられない。
当然、次年度からは不況対策を減らし、財政赤字の縮小を図るだろう。
その時までに各国の経済が自律的回復に向かっていなければ、景気は再び下降する。
いわゆる「二番底」の到来である。「二番底」のあとの世界は、まったく新しい社会経済風景を持っているに違いない。
2.世界は変わる-知価社会vs.工業社会
アメリカでは、製造業が復活することはあり得ない。
中高年の多くなる中国では消費の高度化が進むだろう。
東欧や旧ソ連諸国の巨額の不良債権を抱えるヨーロッパは、その処理のためにもこれから「失われた10年」を経験する可能性が高い。
3.今こそ「改革」-日本の将来
この国の問題は、製造業を中心とした物財の面だけを自由化・規制緩和しながら、21世紀の成長分野である医療・介護・育児・教育・都市運営・農業などを完全な統制経済のままにしてきた「偽りの改革」にある。
今、日本の未来には三つの道がほの見える。
第一の道:大した改革をしない道
今は気楽な官僚任せで済むが、その先は出口のない谷間、発展途上国への逆戻りである。
第二の道:中国中心のアジア共同体への道
中国はその歴史と文化による独自の体制と規則を創るだろう。アジア共同体に加わるとすれば、日本もそれに従わざるを得ない。
第三の道:官僚主導とモノ造り依存を捨てる知価革命の道
ここはきついカーブや激しい凸凹がある反面、美しい目標も目前の利益も見え難い。だが、これだけが自由と繁栄に至る道である。
自由と繁栄の道を選ぶとすれば、この国の気質(価値観)と体質(行為基準)と体格(社会構造)の三つを抜本的に変えねばならない。具体的にいえば、次の三つである。
・官僚依存・官僚主導からの脱却
・終身雇用制度を緩和し、職縁社会から脱却すること
・人生の規格と順序を変更すること。不況とは、モノとヒトとカネの余る現象である。不況の時にこそ新しい産業が生まれやすい。ここで求められるのは独創と勇気である。今、この国に必要なのは、既成概念に囚われない斬新な発想と健全な楽観主義である。
あまけ:photolibrary で見つけた荒波のフリー画像
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