ハッスルプレイという天賦の才
第222号(「求められる以上にやる」という姿勢)の補足です。
フレデリック・P・ブルックス「人月の神話」は、1974年に書かれた古典的名著です。
プログラミングチームを合理的に分析した本ですが、その中で「ハッスル」という精神面について言及している箇所が一箇所だけあります。下記の部分です。
野球の監督は、ハッスルプレイという運動能力以外のものの重要性を認識している。 これは偉大な選手や偉大なチームに不可欠の天賦の才だ。 求められる以上に速く走ったり、敏捷に動いたり、一生懸命になるといったものだ。 同様に、素晴らしいプログラミングチームにも必要不可欠なものである。 ハッスルは、チームが日常の不運に対処し、多少の災難は先手を打って防ぐクッションを与えたり、余力を残してくれる。 計算済みの反応や勘定づくの努力などは、ハッスルを湿らす濡れた毛布のようなものだ。 これまで見てきたように、一日の遅れにもやっきにならなければならない。 この程度の遅延こそが、まさしく破局の要素なのだから。
とはいっても、一日の遅延すべてが等しく破滅的であるとは限らない。そこで、ハッスルを湿らせてしまうとしても、反応を計算することは多少必要だ。 では、どの遅延が重要なのかどうのようにして分かるのだろうか。 パート図、すなわちクリティカルパス(臨界路)によるスケジューリングに代わるものはない。
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