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グーグル「大図書館」計画の影の部分

第215号(「日本語が亡びるとき」を読んで) の補足です。

水村美苗著「日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で」の中で、グーグルなどが進めている「大図書館」計画の影の部分について言及した部分の要約です。

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(1)Google Book Search Library Project

グーグルは全世界の主要な図書館の蔵書すべてをデジタル化して、データベースに入れ、世界のどこからでも読めるようにすることを計画している。(Google Book Search Library Project)

同様なプロジェクトはアマゾン、スタンフォード大学、カーネギー・メロン大学などでも進んでいる。

(2)英語を母語にする人々の無邪気さ

これらの「大図書館」には英語以外のすべての言葉も入るはずだから、英語の支配を強化するものではないと、英語を母語にする人々は思っている。

むしろ全世界の人々に恩恵を与えるものだと無邪気に信じている。

「今までの、エリートに限定された図書館と違って、真に民主主義的なものとなる」(ケヴィン・ケリー)

(3)大図書館は言語の序列づけを強化する

例えば、中国のスーパースターという企業はすでに総計130万冊の中国語の本をデジタル化した。

しかし、スーパースターがデジタル化した本は、共産党独裁政権のもと、言論の自由なくして出版された本ばかりである。

したがって、スーパースターの大図書館は中国本土の中国人しか利用しないであろう。
一方、グーグルなどの英語の大図書館は、英語圏の人だけでなく、英語がある程度読める非英語圏の知識人たちも利用するようになる。

高い教育を受けた全世界の人が出入りする英語の<図書館>が、内容からいって、この先もっとも充実した<図書館>となっていく。
        (「日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で」より)

出入りする人が増えれば、情報の序列づけ(ランキング・システム)の精度も上がる。
ランキング・システムの精度が上がれば、利用者はさらに増えるという循環が生まれる。

(4)知識人ほど日本語で読み書きしなくなる

学者もジャーナリストもブロガーも知識人ほど英語の大図書館に出入りするようになれば、やがて、彼らは英語で書くようになる。

すると日本語など現地語で書かれたものはさらにつまらなくなり、やがて知識人ほどそれらを読まなくなる。

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