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2008年7月

「銀の弾はない」を深く知りたい方のために

第207号「Java技術者が時間を費やしていること」の補足です。

第207号でマーチン・ファウラー氏のインタビュー記事を紹介しました。

その中に出てくる「銀の弾はない」とは、「人月の神話」の著者として有名なフレデリック・ブルックスが1986年に著した論文です。
原題は「No Silver Bullet - Essence and Accidents of Software Engineering」です。

その論文を要約すると次のようになります。

  • ソフトウェア開発の難しさには、本質的複雑性と偶発的複雑性がある。
  • 本質的複雑性とはプログラムに表現するもの自体の複雑性である。 (ファウラー氏が挙げている例では、給与支払システムの開発での給与支払の業務ルール)
  • 偶発的複雑性とは、本質的複雑性をプログラムに表現するための複雑性である。
  • 偶発的複雑性は改善されるが本質的複雑性は改善できない。
  • したがって、ソフトウェア開発の生産性向上はある時点で頭打ちになる。 (既に1986年の時点でそのようになっている。)

さらに興味のある方は、拙著「2010年のシステム開発(試読版)」( http://www.kei-it.com/sailing/pdf/2010-shidoku-1.pdf )をご覧ください。

「2010年のシステム開発(試読版)」は、出版することを目指していた「2010年のシステム開発」の第1章です。「2010年のシステム開発」はこの第1章を執筆して以来、執筆がストップしています。

今回の「銀の弾」シリーズで明るい未来が描ければ、執筆を再開します。

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大手ソフトウェア会社は少なくとも会計上は製造業的

第205号で、株式会社シーイーシーの有価証券報告書の中の「ソフトウェア開発売上製造費用明細書」を参照している部分があります。

 第205号:大手ソフト会社はゼネコン化している(?)
 [B] http://www.gamou.jp/sailing/2008/06/post_a235.html
 [H] http://www.kei-it.com/sailing/205-080531.html

その「ソフトウェア開発売上製造費用明細書」では、材料費、労務費、外注費、経費から当期総製造費用を算出しています。

損益計算書の売上原価の計算は、販売業では商品の購入代金に付随費用を加えた「仕入原価」を求めます。一方、製造業では原価の3要素を集計し、製造原価を計算します。

 (小川正樹著「絵でみる原価計算のしくみ」より)

第102号第103号第105号で、「ソフトウェア業はサービス業か製造業か」という問題を扱いしましたが、大手ソフトウェア会社では、少なくとも会計上は製造業的であることが分かります。

 関連記事:
 第102号:ソフトウェア産業は製造業かサービス業か
 [B] http://www.gamou.jp/sailing/2005/11/post_edc4.html
 [H] http://www.kei-it.com/sailing/102-051121.html

 第103号:請負開発の納品プログラムは「製品」ではない
 [B] http://www.gamou.jp/sailing/2005/11/post_5f75.html
 [H] http://www.kei-it.com/sailing/103-051128.html

 第105号:新産業分類ではソフトウェア業はサービス業ではない
 [B] http://www.gamou.jp/sailing/2005/12/post_ab8f.html
 [H] http://www.kei-it.com/sailing/105-051212.html

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NHKスペシャル ワーキングプアⅢ ~解決への道~

第79号第157号の補足です。

 第79号「インドオフショアの影響」(2005年6月13日発行)
 [B] http://www.gamou.jp/sailing/2005/06/post_a84f.html
 [H] http://www.kei-it.com/sailing/79-050613.html

 第157号「サービス業のオフショアリング」(2006年12月11日号)
 [B] http://www.gamou.jp/sailing/2006/12/post_6f55.html
 [H] http://www.kei-it.com/sailing/157-061211.html

2007年12月16日(日)に放映された「NHKスペシャル ワーキングプアⅢ ~解決への道~」で、私が第79号第157号で書いたようなことが報道されていました。
http://www.nhk.or.jp/special/onair/071216.html

アメリカで20万人のIT技術者やハイテク技術者がワーキングプアに転落したそうです。

YOUTUBEでも見ることができます。
http://jp.youtube.com/watch?v=uswfcfA2dhY

文字で抜粋を読みたい方は下記URLをお薦めします。
http://www1.odn.ne.jp/kamiya-ta/workingpoor5.html
そこから一部を引用します。

番組で追っていたのは、銀行のシステム管理にかかわっていたIT技術者(プログラマー)、ブライアン・ラフェリーさん(46)だった。
ブライアンさんは、いまやテキサスのキャンプ場で暮らすワーキングプアである。ファーストフード店で月15万円の収入で生活する様子が映し出される。週末休みなしで毎日10時間働いている。

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ネイティブの機能へと降りていく必要のある部分

第202号(2008/3/24)『オブジェクト指向プログラミングは万能選手ではない』の次の部分の補足です。

また、アプリケーションプログラムであってもOSのネイティブの機能へと降りていく必要のある部分では、やはりCが主流であり続けるでしょう。

 第202号:
  [Blog] http://www.gamou.jp/sailing/2008/03/post_751c.html
  [HP] http://www.kei-it.com/sailing/202-080324.html

例えば、EclipseのウィンドウライブラリはCで書かれています。

Javaアプリケーションは・・・(中略)・・・どんなにがんばったところで、そのメニューをExeclのメニューバーのようにすることはできないのだ。なぜか?Javaでは抽象化が漏れているときに、OSのネイティブの機能へと降りていく上手い方法がないからだ。
・・・(中略)・・・
JavaでGUIを構築しようとして失敗した有名な事例がたくさんあった後、多くの人はこの世界から離れた。Eclipseは、ネイティブウィジェットを使った独自のウィンドウライブラリを一から作り、これによって十分にネイティブに近いルックアンドフィールを持ったJavaプログラムを書けるようにした。

(ジョエル・スポルスキー著「ジョエル・オン・ソフトウェア」より)

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