第9の嘘「世界は脱工業化時代に突入した」の要約

第241号(未発行)の補足です。

「世界経済を破綻させる23の嘘(ハジュン・チャン著)」の中の「第9の嘘:世界は脱工業化時代に突入した」の要約です。

(1)製造業の生産性向上によって非工業化が起きる

サービスではその性格上、多くの場合、生産物の品質を落とさずに生産性の向上をはかるのは本質的に難しい。

したがって、サービスは製造品よりも生産性の向上が遅く、そのため、国内生産に占める製造業の比率は減って行く。

国内生産に占める製造業の比率の減少のほとんどは、製造品の絶対量の減少のせいではなく、サービス業と比較して製造品の価格が安くなったためである。

(2)非工業化のマイナス面

しかし、非工業化には次のマイナス面がある。

  1. 生産性向上のスピードが遅いサービス部門のほうが優勢になった経済では、全体の生産性向上のスピードも落ちてしまう。
  2. ある国の製造業部門の生産性向上のペースが他国よりも遅い場合も非工業化は進む。その場合、その国の製造業部門は国際競争力に欠けるということであり、短期的には国際収支の問題が生じ、長期的には生活水準の低下を招いてしまう。
  3. 次の理由で国際収支の赤字をサービスの輸出で穴埋めすることは難しい。
  • サービスは貿易品になりにくい。
  • サービスの中にも知識サービスは交易可能で、生産性も急速に向上し得るが、知識サービスをどこよりも発展させているとされるイギリスとアメリカにしても、その輸出によって長期的には国際収支の赤字を穴埋めすることはできそうにない。
  • 生産性が急速に向上しうるサービスは、おもに製造会社に仕えるサービスであり、したがってまず先に強い製造業の基盤を築かないかぎり、そうしたサービス業を発展させるのはきわめて難しい。

そして、

わたしたちはいま脱工業化時代に生きているのだという神話のせいで、非工業化のマイナス面を無視するようになった政府がたくさんある。

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作っても、作っても利益が出ない

第236号「農業とIT」の補足です。

第236号で、ヤル気のある専業農家が置かれている状況について、次のように述べました。

  • 耕作放棄地はあるので、需要さえあれば、規模の拡大は可能
  • しかし、既存の販路では、「作っても、作っても利益が出ない」

これについての証言を二つ引用します。

同じ作物を作る他産地の農家と競合し、産地間競争による値下げ合戦の消耗戦を生んだ。そこにつけ込まれて、寡占化する流通・小売に価格決定権を奪われ、どこの産地も農家の手取りが減る一方である。(浅川芳裕「日本は世界5位の農業大国」)

これまでの農家は、作物を生産してJAなどに持っていけば、売上が確保されていました。しかし、作物の値段が下がってしまうと、作っても、作っても利益が出ないということになります。この状況から脱却するためには、自ら販路を開拓していくしかありません。そのためには他の農家と違う品種を育てたり、加工を施したり、差別化を図らなくてはならないのです。(松本一浩著「農はショーバイ!」)

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日本の農業に起きる3つの流れ

第236号「農業とIT」の補足です。

第236号で、今後日本の農業では次の3つの流れが同時に進むと述べました。

(A)ヤル気のある専業農家の大規模化、集約化
(B)農業周辺ビジネスの拡大
(C)零細な兼業農家の衰退

これについて補足します。

(1)人口の波

藻谷浩介氏が「デフレの正体」で、『経済は「人口の波」で動く』、『「景気の波」を打ち消すほど大きい「人口の波」が、日本経済を洗っている』と指摘しています。

農業の今後の方向性も根底には「人口の波」の影響があります。

農業も放っておいても、生産年齢人口が激減していきます。つまり、放っておいたら、耕作放棄地が激増します。

余った農地を使えるのは次の2種類の人たちです。

  • 規模拡大を求めているヤル気のある専業農家
  • 農業周辺ビジネス起業家

(2)ヤル気のある専業農家の大規模化

耕作放棄地が増える中でヤル気のある専業農家の大規模化が進むことは自然ですし、また、そうでなければなりません。

先進国とは、いうなれば経済成長によって農家が他産業に移り、農業のGDP比率が相対的に低くなった国である。そして、残った少数精鋭の農家が技術力、生産性を高めた結果、大きな付加価値(農業GDP)を生むことができるようになった国なのだ。(浅川芳裕著「日本は世界5位の農業大国」)

20ヘクタール以上の米作農家の平均農業所得は1200万円を超えている。(山下一仁著「農協の大罪」)

(3)農業周辺ビジネス起業家

但し、専業農家の大規模化は農地として最も適した土地を中心に起きるでしょう。

大規模化しやすく耕作しやすい平野部で、遊休地がさらに増えていくことは考えにくいでしょう。これからも遊休地が増えていくのは、耕作しにくい中山間地だと思う(松本一浩著「農はショーバイ!」)

耕作しにくい中山間地や細切れになった都市近郊の農地には、耕作放棄地が増えてくるでしょう。

しかし、これらを有効活用する農業周辺ビジネス起業家も出てくるでしょうし、また、出てこないといけません。

農業界は今、レジャーや観光、不動産、教育、医療といった産業界の知恵や実績を吸収しながら、新たなビジネスを創出できる絶好のポジションにあるのだ。(浅川芳裕著日本は世界5位の農業大国)

「半農半X(はんのうはんえっくす)」などのライフスタイルを持つ新しい兼業農家もこの中に含まれます。

また週末農業愛好者、市民農園愛好者はユーザとして農業周辺ビジネスに参加しています。

(4)零細な兼業農家の衰退

零細な兼業農家を保護する政策が、日本の農業をゆがめていることは多くの識者が指摘しています。

小農・零細農家は、本職はサラリーマンの兼業農家なので今や富農である。それに対して、なかなか農業規模を拡大できず、所得が増えない主業農家こそが貧農である。(山下一仁著「農協の大罪」)

零細な兼業農家のほうが専業農家よりも高い所得を上げ、かつ専業農家の規模拡大による所得増加を妨害し、また、土日農業のために、手間隙かけない農薬・化学肥料多投の農業を実施している。(山下一仁著「農協の大罪」)

零細な兼業農家こそ高齢化が進んでいるのであり、彼らはヤル気のある専業農家や農業周辺ビジネス起業家に土地を提供する側に回るだろうし、また、そうなっていかなければなりません。

日本にとって必要な専業農家、いわゆる本物のプロ農家が高齢化したというよりも、8割の疑似農家が「統計上の高齢化」を引き起こしているにすぎない
(浅川芳裕著「日本は世界5位の農業大国」)

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どのくらいの農地があれば人一人が生きられるか

第236号「農業とIT」の補足です。

自分が耕せる農地をどの程度持っていたら自給自足できるのでしょうか?

(1)米

米を主食とした場合、最低5アール(約0.5反)の水田が必要でしょう。
根拠は以下のとおりです。

【生産量】

ベテラン専業米農家が条件のよい環境の1反で収穫できる米の量は約500kgと言われています。

たとえば、「岡山県新規就農者ガイドブック」では農業経営指導指標(ベストの数字)が530kgとなっています。

他の文献でも、

1反(約300坪)の田んぼで収穫できるお米は、どんなにとれても8俵(480kg)と言われています。そのお米を仮に1俵=1万5000円で、JAに買ってもらえるとすると、8俵で売上は12万円です。(松本 一浩著「農はショーバイ!」より)

【消費量】
一方、人は年間どれだか米を食べるのでしょうか?

宮沢賢治の「雨にも負けず」の中で「一日に玄米四合と味噌と少しの野菜を食べ」という一節があります。

 1合=150gとして、4合=600g

宮沢賢治は年間219kg(600g×365日=219,000g=219kg)食べていたことになります。

ちなみに、現在の日本人はその三分の一も米を食べません。

お米を食べる量は年々減ってきており、一人が1年間に食べる量でみると、昭和35年には114.9kgでしたが、平成16年には61.5kgと、ほぼ半減しています。
http://www.pref.miyagi.jp/syokushin/s-hanbai/miyagicomenaviweb/future/future01.html

宮沢賢治の時代の食生活に戻るとすると、米の生産量が480kg/反なら、「219kg÷480kg=0.46反」の水田が必要ということになります。

田んぼの条件が悪い場合にはもっと必要になるでしょう。

(2)ジャガイモ

ジャガイモを主食とした場合は、もう少し狭くても自給自足できるかもしれません。

農林水産省の資料によれば、ジャガイモの20年度の10a当たり収量は、最高の北海道で3,860kg、最低の滋賀県で1,040kg、東京都で2,010kgです。(「いも類関係統計データ」参照)

東京の収量で計算しても米の約4倍の収量があります。
単純に収量のみ考え、連作障害問題も無視するなら、水田の四分の一の面積(1.25アール)のジャガイモ畑があれば人一人が生き延びることができるのかなと考えています。

また、ジャガイモは米よりも短期間に収穫できます。上記が年1回栽培を前提とした数字なら、空いている時期には他の野菜も栽培できることも考えられます。

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「デフレの正体」に対する批判についての私見

第235号「デフレの正体」の補足です。

藻谷浩介著「デフレの正体」に対するネット上での批判は大きく次の3つだと思います。

①グローバル化(特に新興国との競争)による相対価格の低下を無視している。

(例:http://agora-web.jp/archives/1044148.html

②高齢化は成長率低下の一つの原因にすぎない。東アジアだけでも、韓国、台湾、シンガポール、香港の出生率は日本より低く、高齢化率も90年代までは日本は主要国の平均程度である。(例:http://agora-web.jp/archives/1044148.html

③マクロ経済学の基本的知識がない。

(例:http://abc60w.blog16.fc2.com/blog-entry-401.html

③については私もマクロ経済学の基本的知識がないので、語ることができません。

しかし、①②の批判は誤解だと思います。

①について:
グローバル化による相対価格の低下については、同書は少し触れています。

現在生じている「デフレ」には、国内の諸物価が国際的な水準に向けて下がっているという面もあります。90年代から中国という巨大な生産者が立ち上がってきましたが、彼らの生産コストや国内物価は日本よりもずっと低いわけです。そういう存在が横にあれば、中国でも製造できるものの日本国内での値段が国際的に標準的な価格に向けて下がっていくのは当然ということになります。
(P.187)

②について:
「デフレの正体」で重視にしていることは、出生率の減少や高齢化率の上昇ではなく、生産年齢人口の減少です。

出生率減少、あるいは、高齢化率上昇、イコール 生産年齢人口減少ではありません。

例えば、女性就労比率が上がれば生産年齢人口減少のペースは弱まります。

(オランダでは)人口が高齢化していく中で、昔は3割くらいしかなかった女性就労比率がどんどん上がっていった。
(P.225)

また、移民を積極的に受け入れている国では、出生率が低下しても生産年齢人口減少のペースは弱まります。

したがって、外国と比較する場合は、その国の出生率や高齢化率ではなく生産年齢人口で比較すべきでしょう。

また、外国と比較する場合には、日本とその国との消費水準の違いも考慮しなければならないと思います。

こういうふうに時間を単位にして考えると、一人当たりの消費水準がすでに高くしかも人口が減っている日本のような国での、一人当たりではなく総額としての経済成長というものがいかに困難か、よくおわかりいただけると思うのです。
(P.173)

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リンク

日本の産業を巡る現状と課題 経済産業省

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仮想マシンの誕生

第231号「仮想化の原型」の補足です。

「MINIXオペレーティング・システム」(1989年7月版)「1.5.3 仮想マシン」からの引用です。
仮想マシンの誕生の経緯とその本質が、簡潔に分かりやすく魅力的に書かれています。

「1.5.3 仮想マシン」の章はわずか1ページの短い章で、下記引用はその8割程度です。図1.21は原本と少し変えています。

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1.5.3 仮想マシン

 OS/360の最初のリリースはただのバッチシステムだった。しかし、360ユーザーの多くは時分割の機能を必要としていた。そこでIBMの内外を問わず多くのグループがこのオペレーティング・システム用に時分割システムを書こうと考えた。IBMによる正式の時分割システムであるTSS/360の発表は遅れ、やっと市場に出てきても大きすぎて、速度も遅かったためこれを採り入れるものは少なかった。結局50,000,000ドルものお金を注ぎ込んだこのシステムの開発は中止となった。しかしマサチューセッツ州ケンブリッジにあるIBMの科学技術センタの開発グループが全く新しいシステムを完成し、IBMは後にこれを製品化し、現在でも広く使用されている。

 このシステムは最初CP/CMSと名付けられたが、現在ではVM/370と呼ばれており、かなり鋭い洞察に基づいている。それは、時分割システムは(1)マルチプログラミング(2)裸のハードウェアより便利なインターフェイスを備えた拡張マシンを提供する、ということであり、VM/370の本質はこれら2つの機能を完全に分離することである。

 システムの中心は仮想マシンモニタ(virtual machine monitor)と呼ばれ、裸のハードウェア上で稼働する。そして図1.21の様に複数の仮想マシンを1つ上のレイヤに置いてマルチプログラミングを行う。しかし他のオペレーティング・システムと異なり、これらの仮想マシンは拡張されたマシンではなくファイルやその他の便利な機能も備えていない。その代わり、これらは裸のハードウェアの正確なコピーであり、カーネル/ユーザモード、入出力デバイス、割込みおよび実際のマシンが持っているその他すべてが含まれている。

 仮想マシンは実際のハードウェアと同一なため、そのハードウェア上で直接実行できるオペレーティング・システムならどれでも実行できる。事実異なる仮想マシンが異なるオペレーティング・システムを実行することができるし、またそれが一般的である。

・・・(中略)・・・

マルチプログラミングと拡張マシンを提供する機能を完全に分離することによって、それぞれの部品はかなり簡素化され、柔軟性を持つようになる。

Vm370_2

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ニッチ概念と島泰三著「親指はなぜ太いのか」

第230号「ニッチを切り開く」の補足です。

(1)ニッチの一般的説明

「ニッチ(niche)」という言葉について、一般には次のような説明がされます。

(A)もともとは「へきがん(物を置く壁のくぼみ)」、「適材、適所」を意味する言葉であった。

(B)生物学で次のような意味に使われるようになった。

生物学で使われるニッチ(生態学的地位。ニッチェとも)とは、その生物が活動する時間、空間、餌等、環境のすべての資源のこと。同じニッチを持つ他種の生物はいない。(はてなキーワード http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CB%A5%C3%A5%C1 )

(C)それが転じて、「隙間」という意味で使われるようになった。

ニッチとは「隙間」の意味である。大企業がターゲットしないような小さな市場や、潜在的にはニーズがあるが、まだビジネスの対象として考えられていないような分野を意味する。(コトバンク http://kotobank.jp/word/%E3%83%8B%E3%83%83%E3%83%81 )

(2)「親指はなぜ太いのか」のニッチ

親指はなぜ太いのか」P.22からP.32で島泰三氏は生物学でのニッチ概念について詳細に説明しています。

【古典的定義】

チャールズ・エルトン(Charles Elton)が『動物の生態学』で「(ニッチは)その動物の生物的環境における位置、その食物ならびに敵にたいする諸関係、を意味する」と定義した。ニッチのキーワードは、「食物」であり、「動物共同体内の関係の多くは食物関係である」。

【エルトン後の理解】

エルトンはそれぞれの種についてあまりにも粗いとらえかたをしていた。そのためニッチ概念はその後粗略に扱われる傾向があり、動物の生息環境一般として理解されていたりする。

(上で引用した「はてなキーワード」の理解がこれに近いと言えます。)

【島泰三氏の定義】

島泰三氏は「親指はなぜ太いのか」の中でニッチを次のように定義し直しています。

ニッチとはその動物の生物的環境における位置、その主食にたいする諸関係、を意味する。

「主食」を最重要視しているわけです。別の箇所では次のようにも表現しています。

サルたちは、彼らをとりまく生態系のなかから他の種が利用していない物を取り上げて、それを自分たちの主な食物としたとき、新しい種として生態系のなかで安定した地位を得ることができる。それがニッチである。

(3)ニッチ概念から口と手連合仮説へ

島泰三氏さらに霊長類について「主食は霊長類の手(指)と口(歯)の形を決定する」という「口と手連合仮説」を唱えています。

この仮説には、形は知られているが生態がわからないサルの主食を推理できるという威力がある。

親指はなぜ太いのか」は原猿類から類人猿まで「口と手連合仮説」を検証し、さらには初期人類(形は知られているが生態がわからないサル)の主食を推理した本です。

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「ネット帝国主義と日本の敗北」からの引用

第228号「プライベートクラウド vs. パブリッククラウド」の補足です。

岸博幸氏は「ネット帝国主義と日本の敗北」の「第3章ネット上で進む帝国主義 第2節プラットフォームの米国支配の問題点」で、米国のネット企業にプラットフォーム・レイヤのサービスを独占された場合の問題点として次の3点をあげています。

  1. 米国の情報支配
  2. 米国のソフトパワー強化
  3. 米国による世界のネット広告市場の制覇

それぞれ傾聴に値する指摘ですが、ここでは1.の部分のみ引用します。

情報支配の怖さ

岸博幸氏は留学、国際機関勤務で5年間ニューヨークに住んでいたそうです。米国の情報機関とも一緒に仕事をしていた経験を持っている方なので、次の文章には説得力があります。

米国駐在時には経済産業省のニューヨーク・オフィスにも関わっていましたが、そこのオフィスの電話も盗聴されていました。

          ・・・(中略)・・・

そうした経験から個人的には、情報という点に関しては米国は怖い国であると思っています。もしあなたやあなたの企業が米国に目を付けられたら、あなたが米国のネット企業に預けている情報は決して安全ではないと考えるべきです。

          ・・・(中略)・・・

企業の重要情報をメールでやり取りすることも多いはずです。政府の官僚も重要な情報をメールでやり取りしています。そうしたときに、所属する組織のメールではなく、米国のネット企業のフリー・メールを使っている人もいるのではないでしょうか。私の知り合いの官僚にもそういう人が何人もいます。

          ・・・(中略)・・・

国家の安全保障における情報の重要性は極めて高いのです。ビジネスにとっても同様です。

米国愛国者法

この法律に基づけば、米国の当局はプラットフォーム・レイヤーのネット企業に対しても、サーバーに蓄積されている情報の提供を求めることができるはずなのです。

          ・・・(中略)・・・

「米国のネット企業のプラットフォーム・サービスをまったく利用しないことは無理ですが、競争力のある同様のサービスや手段を国内に持つことは、競争の観点のみならず安全保障の観点からも重要なのです。」

クラウド・コンピューティング

当の米国では、連邦政府がクラウド・コンピューティングのサービスを調達する場合、サービスを提供する側が守るべき要件として、・・・(中略)・・・「データセンターの施設やハードウェアが米国本土に置かれていること」が必要とされています。米国内ではなく“米国本土”なのです。

          ・・・(中略)・・・

日本は、行政や民間、更にはネット評論家の類いの人も含め、クラウド・コンピューティング・サービスをあまりに無邪気に受け入れ過ぎているように思います。

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2010年度の慶の戦略

第227号(クラウドが技術者に与える影響)の補足です。

今後景気が回復しても、クラウドの影響によって、インフラ技術者もソフトウェア技術者も数的な需要はさほど増えないことが予想できます。

それを前提にして慶は次のような戦略を立てています。

(1)客先常駐事業

第227号(クラウドが技術者に与える影響)で述べたとおり、官庁、大企業は急速には変わりません。したがって、客先常駐についても積極的な営業を続けていきます。

特に今後も需要が変化しにくい部分に焦点を当てて営業していきます。

(2)自社サービス事業

自社サービスというものはけっして容易に収益を上げられるものではありませんが、21世紀の成長産業である農業と医療に焦点を当てて、自社サービスを地道に作り上げていきます。

例:農家.com( http://www.nou-ka.com/ )

医療系は現在ビジネスモデルを構築中です。

(3)社内請負開発事業

社内請負も積極的に営業していきます。特にサイトによる営業を試みます。
自社サービス開発によって蓄積した技術や業務知識を活用して開発します。

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